2016-01-01から1年間の記事一覧

止めたくても止められない(東京大賞典予想)

年の瀬。 気持ちは自ずと1年の振り返りに向いてしまうもので。プリンスにボウイ、ジョージ・マイケル、一時代を築いた数多くのアーティストがこの世を去った。そしてイギリスもEUを去った。かと思えばアメリカでは不動産王のトランプが大統領就任。当初の口…

まあ今日くらいは(有馬記念予想)

男は金曜日の夜になると途端に柔和温順になる。彼女の顔色を窺いつつ、積極的に皿洗いをし、洗濯物も干すし、風呂掃除もする。なんならマッサージだって自ら買って出る。「早く馬柱眺めて明日の予想がしたいんだけどな……」そんな気持ちはおくびにも出さない…

強い女性は美しい(朝日杯FS予想)

「媚びない、めげない、くじけない」 バラエティ番組に出演した際、座右の銘をそう紹介したのは、稀代の名女優である梶芽衣子だった。テレビでそう答える様子を眺めていた俺は役柄のイメージそのままな座右の銘に思わず膝を打った。彼女の代表作といえば、カ…

地元をレペゼン(名古屋グランプリ)

年の暮れ、こんな季節になると、地元の友人との連絡が途端に増える。 中高の同級生と連絡を取り合っては新年会の日取りを決め、地元の名物が美味い店を抑える。なんなら、そんなに仲良くなかった女の子にメールしてみたりもする。地元の名物というと、お好み…

血筋と依存症(阪神JF予想)

日曜日の夜、クリスチャンでありながら、とびきり押しが強い彼女が言うにはこうだ。「どれだけ悲惨な環境にいても、威厳を保ち続けられる人には敬うべきものがある。どうしようもなく、ひどい状況に耐えて尊厳を保ち、自分たちもみんなと同じ人間だというこ…

生きてるだけで丸儲け(チャンピオンズC)

超豪華なメンバーが揃う予定だった2016年のチャンピオンズCに出走を予定していた2頭の悲報が週中に聞こえてきた。 まず、ホッコータルマエは脚の故障が見つかって引退。そして、タガノトネールは調教中の事故で予後不良処分となったとのことだ。Twitterでそ…

背伸び(ジャパンカップ)

中央競馬のG1レースが開催されるような競馬場にいると、自分が無理に「背伸び」をしているような気がする時があるし、歴史あるG1レースであれば、そんな気持ちは尚更強くなる。 そこには、この国を代表するサラブレッドたちが登場し、その国の競馬史を目の前…

自分が自分で情けなくなるよ

まるで、床屋での会話かのように、政治の話から書き出すことが多い(気がする)本ブログ『放談リハビリテーション』ですが、書いている本人は政治について、ワイドショーレベルの知識しかないです。そんなところまで床屋の会話みたいですね。まあ、そんなもん…

逆転満塁ホームランのような(マイルCS)

マンガや映画のワンシーンだと「ベタすぎるだろ」と一蹴されてしまうことが、たまに本当に起きることがある。「9回ツーアウトからの逆転ホームラン」「無一文から大金持ち」「転校生が美人」とか。物語を駆動するための装置としては有能だけど、リアリティと…

忍耐強いのかタフなのか(エリザベス女王杯)

ワイドショーを眺めていると、連日連夜アメリカ大統領選の話題で事欠きませんが、いかがお過ごしでしょうか。ヒラリーになった方が良かっただの、トランプでいいんだだの、いろんな思惑をお持ちの有識者のコメントが、テレビでは矢継ぎ早に飛び交っていて、…

『新・世界の名馬』(著:原田俊治 / 発行元:サラブレッド血統センター)

競馬(けいば、英: horse racing)は、騎手の乗った馬により競われる競走競技、およびそれの着順を予想する賭博である。(中略)競馬は単なる賭博としてだけではなく、音楽や文学、絵画や彫刻などの創作活動の主題として取り上げられたり…… これはWikipediaの…

貧困の中での競馬(アルゼンチン共和国杯)

芥川龍之介の死因は服毒か服薬か、はっきりとはしていないものの、自殺によってこの世を去ったことは、広く知られている。 では、なぜ芥川は自殺に思い至ったのか、ご存知でしょうか。苦悩に満ちた彼の作風から「いい作品を書くことができず、才能の限界に失…

強さ、憎らしさ、身の程知らずさ(JBCクラシック)

秋天が終わったかと思うと、翌々日にはメルボルンカップ・北海道2歳優駿が開催され、その翌日には西日本ダービー。さらにその翌日にはJBCが開催。グレードレースが立て続けに開かれて、地方競馬ならびに海外競馬の馬券も購入される好事家の皆さんにとっては…

大口投票とかの話(天皇賞・秋)

夏から秋。 季節の境目として、秋分という時候こそ定められているものの、2016年に生きる誰もが、実感として「秋分になったら秋だ」と思えないように、季節の境界は明確なものではない。同じように感じられるのが、夏競馬から秋競馬。そりゃ、開催がローカル…

競馬阿房列車⑦ [まとめ]

旅打ちを終えて3日。そろそろ東京でのこれまで通りの生活にも慣れてきたところで、今回の競馬阿房列車を振り返っておこうかな、と最後の更新です。 地元に戻っての入院生活。退院を果たして、東京に戻るまで、広島〜園田競馬場〜阪神競馬場〜京都競馬場〜笠…

競馬阿房列車⑥ [6日目 名古屋〜大井競馬場〜自宅]

予定では4泊5日の旅程だったものの、広島〜東京間で4つの競馬場を巡るとなると、その日取りは少々タイト過ぎたようで、泊数を1日延長。ええんじゃええんじゃ、昨日も一昨日も馬券で儲けさせていただいとるけぇの。ってな具合で旅打ち、競馬阿房列車6日目に突…

競馬阿房列車⑤ [5日目 四条〜笠松競馬場〜名古屋]

旅打ちも今日で5日目。調べてみると、これまでに528.2kmの距離を鈍行列車で移動してきたそうな。車に乗らない自分としては、もう、どんな距離なのかよく分からん感じ。とはいえ長距離であることはわかる。引き続き、東京まで、まだまだ移動は続くのです。移…

競馬阿房列車④ [4日目 西大橋〜京都競馬場〜四条烏丸]

本日旅打ち4日目は友人宅の最寄駅、大阪府の西大橋駅から始動。今日の予定といったらそれは菊花賞ですよ。京都競馬場、つまり“淀”まで行ってクラシックの行方を見守るのです。間違いない。なんならこの競馬阿房列車のメインといっても過言ではないのが本日、…

競馬阿房列車③ [3日目 尼崎〜阪神競馬場〜万博記念公園〜梅田]

今日はずっと菊花賞のことが頭にあったな……あとは日本シリーズ。そんな感じの競馬阿房列車3日目、よろしくどうぞ。 9:34 仁川駅(兵庫県) 出屋敷駅から出発すること40分ほどで仁川着。初日の3時間鈍行移動があったおかげで、40分なんて移動のうちに入らない。…

芦毛の馬の話(菊花賞)

「絶対に大丈夫やって。奨学金返済のアテになんで。」 当時、日本一の売り上げを記録していた大阪駅のマクドナルドで働いていた男は、店長からそう言われ、その年の有馬記念で走る唯一の芦毛馬の単勝式馬券を買った。「M、帰ったらな、このビデオ100回見てみ…

競馬阿房列車② [2日目 三ノ宮〜園田競馬場〜尼崎]

昨日に比べて文章がえらく長くなってしまった。まあ今日からが本番。園田に行ってきたんだから仕方ないですよね、ってことで、競馬阿房列車2日目でございます、よろしくどうぞ。 10:00 フロインドリーブ(兵庫県) 多分8年ぶりに来た。前は学生時代に付き合っ…

競馬阿房列車① [1日目 広島〜岡山〜三宮]

先日アップした通り、広島発(園田・京都・笠松競馬場経由予定)東京行きの鈍行列車旅をスタート。とはいえ、今日は岡山に住む幼馴染のKと会うだけなんですが。 10/20 09:06 西広島駅(広島県) スタート地点は『ズッコケ三人組』の舞台でもある西広島駅から。…

競馬阿房列車⓪ [準備]

俺は決めた。退院したら広島から東京まで競馬場を経由しながら戻ってやる……園田…京都…笠松…東京……!!!— BxKxN(なかた) (@_BxKxN_) 2016年9月27日 入院中に退屈しのぎでこんなことを夢想してましたが、ついにそれが実行できる時が来た! 退院後に待ち構えて…

好きということ(秋華賞)

その作品を読んでも、いまひとつ面白さがわからない。時間が経って読み返してみても、その感想は変わらない。にも関わらず、自分が好きになりたいと思うタイプの作家がいる。 「そんな無理せずに、自分が自然に好きだと思える作家を読めばいい」 そう言われ…

毛沢東曰く、(京都大賞典)

健康に生きていくのが何よりも大切で難しいこと。健康な体や心が当たり前だったはずが、そうでなくなってしまった人たちを冷静に眺めていると本当にそう思う。メーテルリンクの『青い鳥』みたいに、青い鳥がこんなにも身近にいた、と気づいた瞬間に飛び去っ…

入院がわたしにくれたもの(毎日王冠)

前にも書いたけど、訳あって1カ月ほど入院することが決まって、いまがちょうど18日目。はじめの頃は「会社には申し訳ないけど、仕事も休めるし、いやー、よかった……」と甘い考えを持ってました。ところがどっこい、入院生活にも辛さはあった!なんといって…

私の週間食卓日記(スプリンターズS)

タイトルにした『私の週間食卓日記』とは、週替わりさまざまな著名人が自分の一週間の食生活を細かく、エッセイ風に記し、それに対して管理栄養士が感想とともに、その食生活を採点するという、週刊新潮の人気連載のことでして……って、こんな説明じゃわかり…

やっぱり・まさか(日本テレビ盃)

菊花賞、そのステップレースとして最も重要な神戸新聞杯は単勝1.2倍の圧倒的な支持を集めたサトノダイヤモンドが大方の予想通り、先頭でゴールした。春のクラシックを賑わせた馬は、夏を越しても、やっぱり強かった。2着に入線したミッキーロケットも(鞍上…

大金星(神戸新聞杯)

*訳あってこんな病院に入院中です(著作権ごめんなさい)。 9/3の札幌開催で3,999勝目をあげてからというもの、32戦の間勝ち鞍に恵まれず、足踏みを続けていた武豊が9/18にようやくJRA所属馬騎乗(地方・海外含む)による通算4,000勝を達成した。「大変長らくお…

広島とカープと津田恒実(新潟記念)

我らが広島東洋カープが25年ぶりのペナントレース優勝、その時を迎えそうで心がざわつく日々を過ごしている。広島で生まれ、小学校の頃はカープが勝てば宿題が減り、カープが負ければ宿題が増える。カープの勝ち負けで大人の機嫌は大きく変わる、という異様…