砂漠に屹立するギャンブラーたちの魔窟「カジノ ・タワー」の最上階を目指せ!ーー『黄色い夜』を読む

黄色い夜 (集英社文芸単行本) 作者:宮内悠介 発売日: 2020/07/03 メディア: Kindle版 ギャンブルほど多くの民衆の時間と労力とお金とが注ぎ込まれていながら、研究者に語られてこなかった分野があるだろうか……僕が「ギャンブル」という題材に惹かれ続けてい…

『賭博者』を読んだ

って、読んだのはもうずいぶんと前のことではあるんですが……Twitterのタイムラインに読後の感想が流れてきたので、それに引っ張られるかたちで所感を書き残す。 『賭博者』はドストエフスキーが45歳のとき(『罪と罰』執筆の時期に重なるとされる)に著した…

『賭ける魂』を読んだ

「もしも君が競馬を、騎手が楽しんでいるように楽しみたいのなら、そして騎手が苦しんでいるように苦しみたいのなら、騎手が感動しているように感動したいのなら、いまあなたの生活が不自由になる程度の金を賭けなさい、そう、そうやって賭ければ、あやたは…

『セイバーメトリクスの落とし穴』を読んだ

セイバーメトリクスの落とし穴 (光文社新書) 作者: お股ニキ(@omatacom) 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/03/13 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る シーズンが始まったら試合を見ない日もちらほらあるのにキャンプでのなんてことない守備練習…

ディック・フランシスについて一家言

貧乏な期間が長かったので(今も相変わらずといえば相変わらずですが)、いつの間にか安くてハズレの少ない本を見つけ出す技術が長けてきたように思う。そんな私がいつもブックオフの百円棚ではじめに探していた名前が、騎手出身という異色のキャリアを持つこ…

『銃夢』を読んだ

ロバート・ロドリゲスがメガホンを取って『銃夢』を実写映画化。プロジェクトが噂された当初は「はいはいこのパターンね。こちとらAKIRAで何回も同じ手口かまされてますから。全然真に受けてませんよ。どうせポシャるんですよね。」と相手にせず、撮影が延期…

『負けた馬がみんな貰う』を読んだ

ハズレになる単勝式馬券を10日間購入し続けることで2,048,000円の報酬をもらえる。多額の借金にあくせくする青年・瀬川優にそんな話が舞い込んできた。 法月綸太郎『負けた馬がみんな貰う』は、男がなぜそれほどの報酬を得ることができるのか、そしてどのよ…

『オートマン』を読んだ

満身創痍で横綱の座を守り抜き、多くのファンの感動を呼んだ(らしい)現役唯一の日本出身横綱稀勢の里が引退を発表。一晩明けてもなお、巷は相撲の話題で溢れかえっている。しかし、その中心にあるのは、稀勢の里個人のこれまでの健闘を讃えるものではなく、…

2018年に読んだ良かった本【ノンフィクション・芸術・漫画】

昨日に引き続き今年読んで「ナイス!」と思った本をまとめてみました。ノンフィクション、芸術書、漫画などなどについてです。昨日同様amazonのリンクにはアフィリエイトなど仕込んでおりませんので、単純に楽しい!最高!を共有したい気持ちです。どんどん…

2018年に読んだ良かった本【文芸】

2018年に刊行された中から良かった本をまとめてみました。各作品に偉そうに短評つき。年末年始のお供として、どの本もおすすめです。アフィリエント仕込んだりしてないんで「小銭稼ごうとしやがって」と余計なことを考えずにリンクどんどん飛んでみてくださ…