俺の日々 2020年11月後半

内田百閒、吾妻ひでお、目黒孝二、大森望坪内祐三……
魅力を感じる文章の書き手が綴る「日記」が好きだ。そもそも書き手自身に魅力を感じているから日記を読んでも面白いといえば、それまでであるが、「日記」にはふつうの文章とは違った色合いが出る。というわけで、書いてみる。
webコンテンツの潮流には真っ向から逆をいくような内容である。しかし、そもそも収益化だの、えすいーおーだの、読者のためだの……そうしたことを一切考えず、好き勝手気ままに書くことが、このブログの理想的な姿だ。
またこの一連のエントリは、アルコールのせいで日々消えゆく記憶とともに生きる人間の備忘録という意味もある。

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11/16(月)
朝から晩まで通しでチビチビ飲みながら仕事。これはよくない。集中力も欠けていたのか、6:00から23:00まで仕事し続ける羽目になる。これはよくない。
加えてここのところ、歳相応(だと思われるよう)な体の慢性疲労に悩まされていて、いや、それは常日頃から飲酒し過ぎていることが原因なのかもしれないわけですが、いやはや原因がなんであれ、どげんかせんといかんというわけで、パーソナルトレーナー的な(実態がよくわかってない)活動をしている友人Tに相談して一週間のメニューをつくってもらう。両手にタオルを持って背中の後ろ側で10分間上下するだけのメニューにひぃひぃ言う。
取材記事の初稿が特に問題なかった点はよかった。日々周りの有能ぶりに半ば怯えながら仕事しているのだ。
晩飯は成城石井で買った華味鳥の水炊きスープを使って鍋。鍋は楽でいい。

 

11/17(火)
キャッシュが無くなってくると「口座からお金を引き出したくない」という思いで普段小銭をぶち込んでいる箱から500円玉100円玉をかっさらう癖がある。小銭をちまちま積み上げては並べると7,200円。これでATMに行かず、カードからSuicaにチャージせず、まだまだ生活ができる。貧困ではないが、貧乏ではある自分はこの一連でひどく安心する。
夕方、実家から尾道ラーメン8袋が届く。大学生じゃないんだから…と思いながらもありがたい。冷蔵庫に食材を詰め込んだ。空きがどんどん埋まっていく。貧困ではないが、貧乏ではある自分はこの一連でひどく安心する。終日仕事に費やした日。

 

11/18(水)
終日仕事。ようやく出張の負債が返せつつあるように思う。

 

11/19(木)
終日仕事。会議。帰りに友人が勤める「GYOBAR」で酒。レモンサワーとガリ酎を計6杯程度。ドロドロになりながら電車を乗り換えて帰宅。

 

11/21(土)
吉祥寺「いぶきうどん」でちくわ天たまご天をトッピングした冷やかけうどん。美味。丸亀製麺
吉祥寺「燻やもっくん」で前職退職組との飲み会。17時から終電まで散歩酒を含めて三軒クルージング。二軒目で訪れたハモニカ横丁のバー(?)でワインを飲んでいると、流しの二人組が。数曲歌ってもらう。その後は井の頭公園缶チューハイ片手に練り歩き、終電で帰宅。心底楽しい飲み会となる。

 

11/22(日)
思いのほか二日酔いなし。
夕方、水道橋「ぽっぽっ屋」でラーメンを食べ、東京ドームで都市対抗野球カープのドラ1栗林を生で見に来たのだ。所々高めに浮くことはあれど、7回で13三振は圧巻。プロの舞台で勝負球のフォークが通用するかいまから楽しみで仕方ない。補強も今のところ文句なし。誠也はおそらく最終年。ファンも優勝しか見ていない。

 

11/23(月)
無性に魚が食べたくなり釣りに行こうと思うも、ぐずぐず本を読んでいるとすぐに昼過ぎ。仕方ないと思い鮮魚店行きを検討するも、今日は祝日。市場がやっているはずもなく、スーパーへ。するとメバチマグロのカマが! 30cm超の大きさ。喜んで買う。塩焼きにして食す。美味。満足。ちょっとだけパソコンに向かって、あとは酒。『2000年代海外SF傑作選』を読み進める。

 

11/24(火)
作業、作業、作業。そんな仕事で一日が終わる。日本シリーズは、ソフトバンクがあわや継投ノーヒットノーラン。巨人はソフトバンクに蹂躙されているものの、これだけでセリーグが弱いとは思いたくない。ここ数年の十数戦で結論づけるなんて早計である……なんてのはただの思い込ませか。とはいえ、来年こそカープが日本一。そうだ。カープが日本一。シーズンオフはなんとでもいえる。

 

11/25(水)
朝一仕事のミスに自分で気づく。謝罪謝罪で一日が始まる。編集者の仕事は謝るもんだ、とはよく言ったもので、本当にそういうもん。10年くらいこんな仕事を続けてきて、つくづく思う。頭を下げながら一日が終わって精神的に疲弊。同居人を誘い、代々木上原のカンドクラブバーで蟹を雑にたらふく食う。野球はソフトバンクが4連勝。そうか。

 

11/26(木)
会議。一堂に会する度に一緒に働く人たちの頭の良さに慄く。ちょっと文章が書ける(これすらもただのおごりでしかない)くらいで生きてきた自分は肩身が狭い。退社して「ラーメン二郎小滝橋」で飯を食う。美味満腹。

 

11/27(金)
家で仕事。金曜日にしては十分にやった……はず。夜飯の準備にスーパーに向かうと肝付のウマヅラハギを発見!やったー!肝を叩いて醤油をぶっかけ、食べる。美味。満足。

 

11/28(土)
神保町で大竹伸朗の全景展の画集が安く売られている(といっても5800円…高い…)という情報をキャッチし、いざ神保町へ。迷わず購入。その後、前から気になっていた「きたかた食堂」でラーメン。これまた美味。満足。

 

11/29(日)
入場券の抽選は落選するも、東京競馬場へ。ハズレ馬券が拾えれば、仕事の原稿に取り掛かろうかと思うも、競馬場外には一切競馬が落ちておらず。缶チューハイを飲み、家路につく。

 

11/30(月)
仕事。バキバキに仕事。

やめてほしい居酒屋の「注文コール」の話

 居酒屋で注文をした際に店員から「ハイヨロコンデ!」とけたたましい声をあげられた経験のある人は少なくないだろう。あのかけ声、実は居酒屋チェーン「やるき茶屋
」にルーツがあるという。『ZUU online』で公開された記事「「はい、よろこんで!」のルーツはあの店だった―成長を支えた魔法の言葉」によると、

「はい、よろこんで!」の由来は大庄 <9979> の運営する居酒屋チェーン「やるき茶屋」にある。今から35年前の1982年、「庄や」の運営が好調で店舗数を60まで増やしていた同社は次なる展開を考えていた。新業態として、かつて峠の茶屋で旅人が一息ついた時のイメージをコンセプトに「やるき茶屋」の出店が計画されたのである。当時の社長であった平辰氏は「やるき茶屋」の出店にあたり、「ご来店のお客様に、やるき茶屋独自の声掛けをしよう」と指示を出した。そこで社長の実弟であり、当時の営業本部長の平博氏が考案したのが、どんな時にも喜んで接客を行うという意味を込めた「はい、よろこんで!」であった。

 とのこと。


“成長を支えた魔法の言葉”と書けば、聞こえはいいが、私はこのかけ声がとにかく苦手だ。たかだか瓶ビール一本を注文したくらいで喜ばれる筋合いはないし、喜ばれるために酒を飲みに来ているのではない。自分の飲酒欲求を満たすためだけに、俺は酒を呑むのだ。そもそも、やかましくて仕方ない。注文をするたびに「ハイヨロコンデ」を聞かされると思うと、それだけで店を出ていきたくなってしまう。


フランス料理店で「シルブプレ」の声が聞こえてきたり、、、あとはなんだ、パッと具体的な例が浮かばないが、とにかくああした決まったかけ声で嬉しい気持ちになったことが、たったの一度もないわけだ。

 

 まあ、あのかけ声に“元気をもらえる”と思う向きもあるのだろう。それはそれでいい。


今回書きたいのはそんな話ではない。「ハイヨロコンデ」についてではない。
店オリジナルの変わったかけ声を否定するうえで、もっとも有効かつ手っ取り早い選択は店に行かないことだ。一消費者としてそれくらいの自由は許されよう。そもそも自分に合わなければ自然と店から足も遠のく。「嫌なら見なければいい」のそれだ。「嫌なら行かなければいい」だ。

 
 しかし、贔屓にしている店(このブログで最近熱心に更新している日記にもよく登場する初台「まことや」)で、「うわ~それはやだな~」というセリフが聞こえてきたのだ。居酒屋砂漠の地域、「嫌なら行かなければいい」で済ますには惜しい。味、値段、雰囲気……あらゆる面で特に不満のない店は、この一帯でとかく貴重なのだ。アルコール依存症一歩手前の人間としては……


 注文の度に「やだな~」というかけ声を浴びせられるなら、「もう行ってたまるか」と諦めもつこう。つまり、今回遭遇した「やだな~」は“かけ声”ではないのだ。タイトルにも記したように“注文コール”なのだ。
 あれは友人と二人で店を訪れたときのこと。いつもはつまみを2、3頼んでただただ酒を煽るだけなのだが、宴席は盛り上がる。メニューを囲んで無邪気に注文。

 

 事件が起きたのは酒が進み、もう一品くらいつまむかと「よだれ鶏」を頼んだときだった。

「はい~よだれ一丁~よだれね~よだれ~!」そんな声をキッチンに向けて伝えているのだ。
いや~!「よだれ」はないでしょ!勘弁してくれ~!

 

実際によだれ鶏がテーブルに供されるときも「はい~よだれね!」と。味は低温調理されたむね肉が大変美味でした。が、やっぱり「よだれ」はないでしょ!勘弁してくれ~!

 

以上、オチの弱い小話でした。日常で遭遇する違和感ってそんなドラマチックなもんじゃないですもんね。と、言い訳めいた締めで。

俺の日々 2020年11月前半

内田百閒、吾妻ひでお、目黒孝二、大森望坪内祐三……
魅力を感じる文章の書き手が綴る「日記」が好きだ。そもそも書き手自身に魅力を感じているから日記を読んでも面白いといえば、それまでであるが、「日記」にはふつうの文章とは違った色合いが出る。というわけで、書いてみる。
webコンテンツの潮流には真っ向から逆をいくような内容である。しかし、そもそも収益化だの、えすいーおーだの、読者のためだの……そうしたことを一切考えず、好き勝手気ままに書くことが、このブログの理想的な姿だ。
またこの一連のエントリは、アルコールのせいで日々消えゆく記憶とともに生きる人間の備忘録という意味もある。

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11月1日(日)
朝飯、松屋。インド系の男性が新宿駅東南口の店舗でワンオペ。カウンターのお盆がまったく片付けられておらず、やるせない気持ちになる。松屋でよく遭遇する(気がするが、それはそもそも自分が牛丼チェーンで松屋にしか行かないからというのが大きな理由)それ。
10時前の新幹線で出張・石川県へ。道中は上司の子ども(4歳)に恐竜図鑑を<censored>見せられながら</censored>見せてもらいながら、諸知識を教え込まれる。金沢駅に到着後、レンタカーを一時間ほど走らせ崎山地区(能登半島の北西部)へ。
到着すぐ地元の町長4人と会談。今日から約一週間このエリアを取材することになる。
飲食店もなければコンビニもなく、経済の匂いがまったくしない地区。よくいえば秘境。よくいえば無何有の郷。悪くいえばど田舎。
半ばワーケーション。ネタを探しながらの取材となるが、果たして記事になるような何かはあるのか、そして自分が書けるような何かはあるのか……仕事においては不安のみ。

 

11月2日(月)
岡町を取材。町内会の方に昼飯を振舞ってもらう。今日獲れのヒラマサの刺身が筆舌に尽くしがたい美味。美味。美味。
その後、能登島水族館へ行き、夜は某生物ライターさんと合流後七尾の「海ぼうず」で酒席。日本酒を3合ほど。東京で暮らしていると、まず乗る機会のない代行(!)で宿へと戻る。
書き忘れていた。宿は崎山地区唯一の民宿「龍王閣」。初めて“泉質”なる言葉の意味を思い知る。


11月3日(火)
昼前まで一人宿に残ってメール打ち返し。そこから車で移動。今日の民宿は能登半島の「石坂荘」。量がすごくて食べきれず。滞在してからというもの、私が少食だということを鑑みても、一食あたりの量がとてつもなく多い。ありがたくもあり、申し訳なくもある。
申し訳なさといえば、私は免許を持っていない。つまり常に上司のどちらかが運転することとなる。肩身が狭い。申し訳ない。


11月4日(水)
朝から刺し網漁の見学。なかなかに残酷な漁法に思えるが、コウイカ、マダコ、イシガニ、その他もろもろが獲れるわ獲れる。獲った魚・貝をその場で調理。塩水に浸して炙ったコウイカが抜群に美味だった。日本酒が飲めればいうことはなかったが……一応仕事というわけで……
それにしても海は観光資源としてデカい。レッドオーシャンではあるけど間違いなくデカい。
龍王閣」に戻って晩飯。酒無し。凹む。明日早朝(深夜)からの漁同行に向けて早寝。


11月5日(木)
3時からの漁のために2時起床。寝ぼけ眼で漁場に着くと…THE漁船!思わずテンションが上がり、カメラマン同行にもかかわらずiPhoneで写真を撮りまくる。船酔いでほのかに気持ち悪くなりながらも大失態(吐瀉)はさらすことなく無事帰港。もしも昨日酒を飲んでいたらと思うと恐ろしい。
選別すると、アオリイカ、マメアジ、ウスバハギ、エイ、カマス……あらゆる魚種が豊漁も豊漁。ペンディングしている日常仕事から心を逸らしながら、飯場で調理してもらったそれらをいただく。なかでも美味かったのがウスバハギの肝に浸して食べる刺身。あらゆる魚を潮(?)で煮込んだ漁師汁も極めて美味。日本酒がここにあればどれだけ幸せなことだったか……
ちなみに今日は石川県を訪れて初めての晴天。これまでは毎日雨だった。北陸の天気は変わりやすいと頭ではわかっていたが、視界の左半分が曇っていて、右半分が晴れているというような光景が眼前に広がる日もあったのには驚いた。これほどまでとは……恐るべし北陸地方……さすがの自殺率の高さ……一度も雨に降られないだけで幸せを噛み締める。
夜、石川に来て初めてというレベルでしっかり飲んだ。ツマミは朝乗った漁船の社長が用意してくれた刺身。たまらん。

 

11月6日(金)
4時から釣りの予定が、同行している上司の子どもが起きず……ずるずる6時からの釣行に。仕方なし。その後小松へ移動。取材を終えて仕事終了。翌日からの予定に備えて福井駅へ移動し、酒、酒、酒。「善甚」で日本酒を3杯。コップ+升の二段状態で提供されるスタイルは多く見られるも、この店はなんとコップ+受け皿×2の三段スタイル。感動した。
ホテル近くの洒落たバーに駆け込み泥酔。

 

11月7日(土)
サンダーバードで福井から金沢へ移動し帰京。大量の土産を買い込む。これは僕にとっては珍しいことで、きっと滞在日数の長さ、つまり土地への愛着が購買意欲をかき立てたのだろうと思う。アオリイカ、いしる、もずく、ホタルイカ、箸、豆皿……ノドグロも買おうとしたが、あまりに高くて諦めた。

 

11月8日(日)
昼過ぎから前職の同僚(女性2名…男子校育ちの十字架を背負い続けるメンタリティの私にとってはかなり貴重なケース)と酒。楽しく飲むも、企画的な収穫はなし……と、なんでもかんでも仕事に結びつけようとする自分に嫌気が差す。
帰路、疲労が溜まっていたのか副都心線で5時間爆睡。クラブ帰りか。

 

11月9日(月)
発熱。されど出張中に溜め込んだ仕事は片付けねばならず。朦朧としながら机に向かう。4000字の原稿一本が限界。

 

11月10日(火)
体調はやや改善。市販薬で充分効く。底は抜け出した。昼から一本打ち合わせ。Twitterで見知った人だったが、イメージに違わず。

 

11月11日(水)
今日も今日とて出張中に溜まった仕事を片付ける。風邪は咳と喉の違和感が残る。体調は芳しくないものの「まあいいか」と初台「まことや」へ。ハムカツとレモン氷サワー×3。

 

11月12日(木)
仕事。会議。アイデア出ず自己嫌悪。夜、前職の同僚であり、いまは神保町の出版社に勤めるTと神保町駅構内のうどん屋へ。近況報告。

 

11月13日(金)
「お土産あるから」と伝えた友人が家まで受け取りに。久々に会ったので酒を飲むことになり、初台「まことや」でレモン氷サワー。思い出せないほど飲んでしまう。

 

11月14日(土)
内臓がしんどいタイプの二日酔いで昼過ぎまで動けず。なんとか購入した馬券はすべてハズレ。抵抗すらできずあっさり5000円を失う。夜、なんとか回復したところで、途端に外出意欲が湧く。周りからしきりに勧められる「カズチー」(数の子とチーズを掛け合わせたつまみ菓子)を求めに笹塚KALDIへ向かった。ものの、コロナの影響で時短営業。とぼとぼ帰宅。「ウォッチドッグスレギオン 」のメインミッションを終える。(大好きな)2に比べて、現実と地続きなテクノロジーの脅威という面でリアリティに欠けるぶん、面白みも落ちていた印象。NPCを誰でも仲間にできる画期的なシステムも自分にはハマらず。期待していただけに残念。

 

11月15日(日)
ようやく風邪から復活。歳を重ねると体調の復活が遅くなるというよくある伝え聞きを身をもって実感する。昼は「ラーメン二郎小滝橋店」で小ラーメン。その後、取材原稿のまとめ仕事をしようとするも、重い腰が上がらず、明日の早朝に先延ばし。馬券は須く外した。


書き忘れていた11月前半に読んだ本のリストをメモ。○『沢村忠に真空を飛ばせた男』、○『すばらしい新世界』(再読)、○『アメリカン・ブッダ』、△『たった一人の30年戦争』、△『貧乏国ニッポン』、△『その言い方は「失礼」です!』○『Z世代』、△『山本太郎とN国党』、△『スマホ脳』、○『毒親と絶縁する』、△『絶対に挫折しない日本史』……仕事絡みの本がほとんど。はてさて、そろそろ普通のブログも更新したい次第。そんな気分です。

俺の日々 2020年10月後半

内田百閒、吾妻ひでお、目黒孝二、大森望坪内祐三……
魅力を感じる文章の書き手が綴る「日記」が好きだ。そもそも書き手自身に魅力を感じているから日記を読んでも面白いといえば、それまでであるが、「日記」にはふつうの文章とは違った色合いが出る。というわけで、書いてみる。
webコンテンツの潮流には真っ向から逆をいくような内容である。しかし、そもそも収益化だの、えすいーおーだの、読者のためだの……そうしたことを一切考えず、好き勝手気ままに書くことが、このブログの理想的な姿だ。
またこの一連のエントリは、アルコールのせいで日々消えゆく記憶とともに生きる人間の備忘録という意味もある。

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10月16日(金)
転職。出社。仕事で△『木のストロー』○『「大人の引きこもり」見えない息子と暮らした母親たち』○『今日も嫁を口説こうか』を読む。とかく企画を通すまでの期間はやきもきが止まらず。致し方ない。夜、前職の人間と飲みながら原稿の相談。痛飲。

 

10月17日(土)
一日二日酔い。冬に向けてベランダの植物を取り込む。

 

10月18日(日)
昼、ラーメン二郎小滝橋店。その後K's cinemaで◎『ウィッカーマン』を観る。色あせぬ傑作。秋華賞ではミヤマザクラを本命にするも直線でズルズル後退。結果、デアリングタクトが史上初の無敗三冠牝馬となる。特段大きな感慨はなし。
苦手だと思っている類の企画について考えると、ついつい酒に手が伸びてしまうもの。このままじゃいかん、と外に出る。散歩。歌舞伎町を歩き回り、有り余るエネルギーの若者を見る。こちらまで元気になる。

 

10月19日(月)
打ち合わせ、企画、原稿依頼。仕事で◎『砂戦争』○『性感染症』を読む。「砂」が資源として枯渇していることをまったく知らなかった。特に途上国を中心に砂を巡ったマフィアの諍いが起こっているとは……夜飯はピェンロー鍋。飯をつくるなら企画をつくれ。

 

10月20日(火)
仕事の挨拶回り。夜、打ち合わせのあと友人Sが働く京橋の立ち飲み屋で1杯……のつもりが止まらず6杯ほど。その場の雰囲気に乗せられ、周りの客と一緒に飲むことに……たがが外れた人と飲むのは気を使って疲れる。ラスト、トマトサワーで締め。結局終電間際に帰宅。

 

10月21日(水)
打ち合わせ×2件。仕事。夜は初台「まことや」に行き、まぐろソテーとマカポテサラダ。レモン氷サワーをを4杯で打ち止め。明日の企画会議に備える……も、細かな詰めは明日の朝に持ち越し。

 

10月22日(木)
出社。昨日の思惑通り朝から企画を整理。初の会議なので具合がつかめないものの、さしあたりこれでよしとする。するしかない。
深夜、3歳からの幼なじみから、結婚の報告。突如なんだと驚くもこれまでの思い出を喋り合ううちにたまらぬ気持ちに。入籍日はタイミングいい記念日がそれくらいしかなかったと、私の誕生日にしたとのこと。理解できない理由だが目頭にグッときたのは確か。

 

10月23日(金)
誕生日。原稿の依頼。もろもろ連絡。仕事で「えらい人」に会うことも増えるだろうとジャケットを新しく買う。痛い出費。仕方なし。明日からの中央競馬で取り返す所存。晩飯は新宿西口の魚がし日本一。

 

10月24日(土)
新作の発売に向けて「ウォッチドッグス」をプレイ。2から始めたこともあって、ビジランテ風の暗さにあまりノれず。このまま積みゲーになるか……
ラーメン二郎小滝橋店」で昼飯を済ませた後、中野ブロードウェイを散策。まんだらけの書籍価格がずいぶん落ち着いてきた……?
タコシェ』で○『SUMI 3』と◎『酒ともやしと横になる私』を買い、読む。後者の素晴らし!軽妙洒脱とはまさしくこのこと。
4Lの焼酎を家に常備させておくと、ついつい飲み過ぎてしまうため、少しいい酒を買おうとイヌイットのジンを買う。べらぼうにうまい。これはこれで飲み過ぎてしまうのではないか。

 

10月25日(日)
菊花賞大惨敗。アリストテレスはまったくのノーマークだった。以上。以上。以上。。。

 

10月26日(月)
昼、神保町で打ち合わせ。仕事。夜は初台「まことや」でレモン氷サワー×4、ハツ、マグロと大根の煮込み、ちくわの磯辺揚げ。美味満腹。夜、ウォッチドッグスレギオンをプレイ。

 

10月27日(火)
友人のライターNとの初仕事。某ニュースを受けての記事。想像以上に読まれたようで何より。瞬発的な企画なり編集なりに慣れていないのでひと安心につながる。社内的によりやりやすく仕事ができるようにデキる男になるのである。

 

10月28日(水)
出社して仕事。大量に本を受け取る。○『沢村忠に真空を飛ばせた男』×『コンビニで100日間〜〜〜』○『ルポ入管』△『毒親と絶縁する』△『すぐそこにある遭難事故』受け取って数日にわたって読む。

 

10月29日(木)
仕事。会議。もろもろ終わった後、池林房で仕事つながりの友人KとIで酒。企画の相談。その場の流れで相席屋に行くことになり、狂った現場を垣間見る。女性陣から私たち(主に私)はまったく相手にされず、流しのマジシャンと話し続けるのみ。マジックを直接見る……はじめての経験だったように思う。

 

10月30日(金)
打ち合わせ2本。会社のサロンでの打ち合わせは周りを気にして難しいものがある。
夜、会食を終えて一人高田馬場「てるてる」で飲んでいると連絡が来て友人T、その連れ合いと酒を飲むことに。思い出横丁で落ち合うと「シャチョー」に絡まれ、4人で飲むことに。「ほおずき」から「志の笛」に移動。「シャチョー」は国鉄時代から鉄道に関する諸製造を営むモノホンの「社長」だった。愉快に飲む。煮込み、焼きワンタン、ホッピーをセットで3。それに伴った中身。痛飲。支払いはきっちり割り勘となる。


10月31日(土)
二日酔いで仕事が思うように進まず、より差し迫った出張の準備を優先。思えば7日間も家を空けるのは海外旅行を含め、成人してから初かもしれん。なにを準備すればいいのかわからず、とりあえず3日分の着替えと釣具(宿泊所が海に近い)を準備し、最低限の仕事を済ませ、床につく。なかなか寝付けず。

俺の日々 2020年10月前半

内田百閒、吾妻ひでお、目黒孝二、大森望坪内祐三……
魅力を感じる文章の書き手が綴る「日記」が好きだ。そもそも書き手自身に魅力を感じているから日記を読んでも面白いといえば、それまでであるが、「日記」にはふつうの文章とは違った色合いが出る。というわけで、書いてみる。
webコンテンツの潮流には真っ向から逆をいくような内容である。しかし、そもそも収益化だの、えすいーおーだの、読者のためだの……そうしたことを一切考えず、好き勝手気ままに書くことが、このブログの理想的な姿だ。
またこの一連のエントリは、アルコールのせいで日々消えゆく記憶とともに生きる人間の備忘録という意味もある。

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10/1(木)
退職の挨拶、もろもろの手続きで出社。在職中喧々轟々してきた人とも二言、三言交わし……和やかに、そして張り付けた笑顔で会社を後にする。夜、部署内でささやかな送別会。痛飲。

 

10/2(金)
年間TOP10クラスの二日酔いに苦しめられながらも、友人Sを誘って神宮球場へ。下位に沈んだおかげで、順位を気にせず緩やかに観戦できて愉快。スワローズファンのSと両チームの期待選手を勧め合いながら、生ビール(750円……)にでこぽんサワー。試合はどんぐりの背比べ的シーソーゲームを制してカープの勝利。結果云々はさておき、大盛の躍動が見られたことに大満足。穏やかに野球を見られることの素晴らしさよ。

 

10/3(土)
体調不良で予定を一件キャンセル。午前のうちから這うようにWINS新宿へと向かい馬券を仕込んだのち、これまた這うように神保町。@ワンダーでめぼしい本をピックアップ。休日だというのに神保町はまだ人通りが戻りきっていない印象。新型コロナウイルス感染時のリスクが高いとされる高齢者が集う町ほど、経済的ダメージが大きい。そんな当たり前の事態を目の当たりにする。

 

10/4(日)
中野タコシェでリトルプレス○『SUMI』を購入。読む。一読して面白い……とは思えないものの、刺青文化を愛好する者として、このテーマで自腹を切って発刊する心意気を買いたいし、継続されることに意義があるように思う。買い支えていきたい。いく。
スプリンターズSはグランアレグリアとダノンスマッシュの馬連が的中。いい気分のまま ○『パチンコ』下巻を読み終える。後半は尻切れトンボながらミクロの視点でマクロを描いた良作。凱旋門賞はエネイブルが惨敗。馬券も賭けておらず、特に書くことなし。
夜『情熱大陸』。今日の特集、かつて通い詰めた中華料理屋「兆徳」のマスターだったのだ。いつも通りの姿に顔が綻ぶ。一見ぶっきらぼうだが健気で可愛げのある配膳の姉ちゃんが出てこなかったこと(声は聞こえた)を除いて大満足の出来。

 

10/5(月)
引っ越して以来先延ばしにし続けていた(決めかねていた)寝室兼仕事場の照明が届く。が、天井のどこに梁があるのかわからずうまく設置できない……仕方なくホームセンターまで出向き、下地センサーなる商品を購入。天井の壁紙(へんな日本語……)に押し当ててズラすだけで、梁の位置を知らせてくれるビックリアイテムのおかげでなんとか取り付け完了。落ちてこないことを祈る。
ささま書店の跡地にできた「古書ワルツ」に出向き、めぼしい本をピックアップ。『パチンコ』を読んで以来気になっていた在日問題関連の本が中心。夜、○『日本の名随筆 賭事』を読む。かねて「文士と呼ばれる人がパチンコについて書いた文章って少ないよな」と思っていたけど、そうか、吉行淳之介がいた。パチンコに関する小品が絶品。

 

10/6(火)
冬に向けてベランダの植物を取り込めるようにしておこうと、寝室兼仕事部屋を模様替え1×4材を立ててパンチングボードを設置して間に合わせの壁がをつくる。
夜は初台「まことや」。レモン氷サワー×4にハツ2本、マカポテサラダ、もずく。『現代日本を読む ノンフィクションの名作・問題作』を読みながら痛飲。アルコールで目が滑ってなかなか読み進められず。

 

10/7(水)
先延ばしにしていた手続きのために役所。役所という場所は公共の場でありながら、やれこの書類が足りていないだの、やれ住民税だの、やれてめえは何者なんだ……真っ当に生きてこなかった人間にとって、ひどく排斥されているような気分になる場所。しかしそれは当然。仕方ない。とかく肩身狭く過ごすこととなる。つまり競馬場とは真逆の意味合いを持つ。あれほど誰も彼もを許容する優しく開かれた場はあるまい。ああ馬券が買いたい。
そのまま移動して次に世話になる会社に指定された銀行口座を開設(えらく時間がかる)。仕事用に○『保守とネトウヨ近現代史』、△『夢中力』、○『丁寧に教える新型コロナウイルス』を読む。

 

10/8(木)
セールでDLしていた『龍が如く6』を朝から晩までプレイ。夜、前職の同僚と新宿「池林房」へ。いつものように魚の皮をつまみに酎ハイ。そのまま自宅へクルージングし、飲酒・喫煙を楽しむ。久々の喫煙。よくない方にハマる。音楽を大きな音で聞く。

 

10/9(金)
朝から脳がぼやつき何も手がつけられず、仕方なく『龍が如く6』をプレイ。エンディング間際まで進める。ここ2日間でゲームに費やした時間は20時間強。ゲームもひとつの「メディア」として嗜んでいる自負がありながらも、ここまでのめり込むと「時間を無駄にしている」という思いも芽生えてしまう。後ろ暗い思いを抱いてしまうのはなぜなのか。幼少期にゲームを禁じられていたことが原因に違いない。

 

10/10(土)
台風が来るとのことだったがうまく逸れたようで一安心。補足すると「一安心」とはベランダの植物を室内に取り込む必要がなく一安心の意。
朝、新宿西口のブックオフでゲームソフトをいくつか売却し、それを原資に『ウォッチドッグス』を購入。DLが隆盛ではあるもののソフトにこだわっているのは売却ができるというところが大きい。何なら自分が行っている唯一の資産運用といっても過言ではない。情けないことこの上ない。ウォッチドッグスシリーズは2を2周プレイした程度のファンで、1作目のプレイは初。10月末に発売予定の『ウォッチドッグスレギオン』に備えたい気持ちだ。
昼飯、新宿小滝橋ラーメン二郎。評判の悪かった店だけど充分。美味。
サウジアラビアRCはPOG指名馬のステラヴェローチェが出走するも、この不良馬場に合うとは思えず判断に迷い、結果、カガフラッシュに張るも、結局はステラヴェローチェの勝利。さもありなん。

 

10/11(日)
朝から新宿WINSに向かって馬券を仕込む。すべてハズレ。先週の勝ちを溶かす。反省して終日仕事。夜には○『現代日本を読む ノンフィクションの名作・問題作』を読み終える。一種のフィクション論として面白い一冊。中公新書はアカデミズムとの距離感が絶妙で好みなものな多い。

 

10/12(月)
母校(とすら思えない程度の期間で退学したので愛校心も全くない)早稲田大学に行き『Inside/Out─映像文化とLGBTQ+』を観る。一種の“ブーム”となっている昨今のレインボーカラーに関する由無しについて一歩引いた位置から考え直せるいい展示だったように思う。

 

10/13(火)
仕事で◎『ロッキード疑惑』を読む。政治に関心がなくても一つのサスペンスとしてよくできたノンフィクション。公的文書を紐解きまくって、ともすれば専門性が高くなりかねないもののリーダビリティが高い。ボリューミーながら一気見。
昼飯にラーメン二郎小滝橋店。美味満腹。
夜は○『在日韓国・朝鮮人ー若い世代のアイデンティティ』を読む。『パチンコ』を読んで以来自分たちが暮らす社会に無意識的にのさばっている差別に目を向けて考える必要があるように思った次第。差別意識を持つ人がなぜそんな思考を持つのか、当事者はどんな差別を経験してきているのか。

 

10/14(水)
上野アメ横センタービルで調味料・食材をもろもろ調達、その後、予定にはなかったものの、ついカドクラへ流れる。かつてはキャッシュオンだったはずが、コロナの影響で注文・会計方式が大変更。新たに設けられたレジまで向かって注文をして、その場でセルフ会計を済ませ、引換券をもらって、つまみを運んできてもらうスタイル。風情もなければ単純に不便で困惑する。理由は金銭の受け渡しをミニマムにする感染症対策とのこと。これがニューノーマルか。ニューノーマルか。

 

10/15(木)
転職。企画会議を見学。