逡巡しながら……しかないのかね(皐月賞予想)

 左を向いても右を向いても、コロナ、コロナ、コロナである。自然とブログにもそんな話題が増える。それがリアルというもんだ。晩酌を終えて点けたテレビで見かけた番組の話をしたい。


「緊急対談 パンデミックが変える世界 〜海外の知性が語る展望〜」
パンデミックとなった新型肺炎。都市の封鎖や大量死が連日報じられている今、人類は大きなチャレンジを突きつけられている。世界はどう変わるのか。人類は今後どこに向かうのか。歴史学政治学、経済学の各分野で独自の思想を展開する世界のオピニオンリーダーたちに徹底的に尋ねていく緊急特番。
【出演】ユヴァル・ノア・ハラリ,イアン・ブレマー,ジャック・アタリ

 最近の学者に明るくないので、この番組に出演している人たちについて、まったく知らなかった。正確に書くと、「アタリは知ってるぞ」と思ったが、それは『アンチ・オイディプス』で有名な「ガタリ」の勘違いだった。
 それだけに、出演者の人選がいったいどういう座組みなのかよくわからん。「ローレルベローチェ、トウショウピスト、プロフェシーライツ」みたいなよくわからない組み合わせなのかもしれないし、メンバーのそろった有馬記念の出馬表みたいに思えるのかもしれない。さておき、NHKが本腰を入れてつくった類の番組でありそうなことは確かだった。

 ジャック・アタリのコメントを引用する(テレビを見ながら速記したものなので正確ではない)。

人類は未来について考える力がとても乏しく、また忘れっぽくもあります。問題を引き起こしている物事を忘れてしまうことも多いです。かつての負の遺産を嫌うため、問題が取り除かれると、これまで通りの生活に戻ってしまうのです。
人類が今、そのような弱さを持たないよう願っています。私たち全員が次の世代の利益を大切にする必要があります。親として、消費者として、労働者として、慈善家として、そしてまた一市民として投票を行うときにも、次世代の利益となるよう行動をとることができれば、それが希望となるでしょう。

 どの学者も今回のコロナウイルス騒動に向けて前向きな言葉を並べている。
 その大切さも正当性もわかる。しかし、私はといえば辟易のみだ。改めて自分の能無しぶりを突きつけられているような気さえする。
 中国で感染が広がり始めた頃は対岸の火事のように捉えていたし、日本国内で感染者が出始めてからも「マスクつけると息苦しい」だの「結局重篤化するのは高齢者でしょ」だのとのたまって他人事を貫いていた。そして今はなるべく外出を控えているザマだ。極めて一貫性がない。しかしどうしろというのか。何がベストな選択肢なのかはわからない。
 科学的な知見のない自分のような人間にとっては、あらゆるメディアから発信される情報を取捨選択して、人間的生活が侵されない程度の対応をとることしかできない。それが正しい行動なのかもわからないままに。そもそも、正しい行動なんてものがあるとすれば…… の話ではあるが。

 とかく、ああでもない。こうでもない。そんな風に逡巡しながら過ごすしかないというのが素直な思いだ。少なくとも社会の停滞に自分が加担しないようにしたい。ってほんといつまで続くんだよ……

 

 なんて暗くなってても仕方ない。ありがたいことに(無観客でこそあれ)競馬は今週も開催される。クラシック。皐月賞。メンバーもさることながら天候も含めて今年は特に難しい。本命はブラックホールダーリントンホールか。馬場がどこまで回復するかを加味して最終的な印を決めたい。逡巡しながらステイホームの休日を過ごす。迷いながら生きていくしかないのが現状だ。そんな感じで。