祝!場外馬券場入場再開!WINS後楽園の様子を観察してきた

 めでたい。ただただ、めでたい。2020年9月12日、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から入場禁止となっていた一部の競馬場(パークウインズ)・場外馬券場が営業を再開した。

 

 迷わず足を運ぶ。行き先はWINS後楽園。上京してから長らく通い続けた「なじみ」の場外馬券場だ。

 

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 水道橋駅西口を出て神田川を渡ろうとすると、まず、あまりの人の少なさにギョッとする。東京ドームでのイベントが規模縮小していることを差し引いても、まばらとしか言いようのない人並みだ。

 

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 入場には厳しい(今となっては当たり前ではあるものの)制限が課せられる。前の人と十分な間隔を取り、手指はアルコールで消毒し、マスクは着用が義務付けられ、モニターで検温…… かつて競馬場で行われていた大義名分のためだけの手荷物検査が嘘かのように、極めて丁寧な予防策がなされていた。

 

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 場内の店舗はすべてが閉店状態。

 

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 土曜日の午前とはいえ異様な人の少なさ。


 マークシートをまとめてさらう。ルーティーンのように繰り返してきたそんな動作も久々のこと。ついマークシートを取りすぎてしまう(これはいつものことでもある)。

 

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 レースが放映されていないこともあり、いつもの猛る声は聞こえてこない。
「投票カードをお取りください」
「このレースは発売を締め切りました」
「投票カードを入れるか、精算を押してください」
代わりに聞こえてくるのは、聞き馴染みのある券売機の自動音声だけ。

 

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 再開そのものは喜ばしいことこのうえない事態だが、かつての賑わいを取り戻すにはまだまだ時間がかかることだろう。

 

 とはいえ、数こそ、少ないものの、競馬を、ギャンブルを、WINS後楽園への愛着を持つ人が集っていたことは疑いようがない。何度も引用してきた言葉だが、「競馬場にいるかぎり、自分が人よりうんとダメな奴だと思わずに済んだ。」。そんな、ゆるやかな赦しの場としての雰囲気・機能は相変わらずだったように思う。


 運営費がかからないのだから、電子投票だけにして仕舞えば良い。資本主義的にいたって真っ当な意見だろう。ただ、場外馬券場や競馬場の賑わいは、競馬のひとつの華だと思う。私としては、いつまでもこの場所が残り続けてほしい。


 二日酔いの頭で予想を重ね、場外馬券場までの道中で、一度決めたはずの買い目を改めて逡巡する。現地に到着し、日々の暮らしでは体験し得ない博打を打つ。そんな場所があったっていいじゃないか。あってほしいのだ。