競馬ファンが初めて競艇場に行ってきた感想
人様に偉そうに言えたことではないが、私はギャンブルが好きだ。とはいえ、ギャンブル全般に明るいわけではなく、もっぱら競馬を愛好し、パチンコ・競輪・競艇・オートレース・麻雀など他のギャンブルには一切手を出した経験がない。ギャンブルが好きであるものの競馬しかやっていない一筋の博打愛を半ば矜持のように誇っているところもある(ギャンブル好きという時点で誇れることではない)。
それでも、Twitterを見ていると、競馬も競輪も競艇もオートレースも麻雀も…年中無休、日がな一日打ち続けているギャンブル絶倫の方も少なくない。勝ち負けに一喜一憂しているあり様に羨ましさを感じることもある。今日は年の瀬大晦日。帰省したては楽しかった親戚内のやり取りにも疲れを覚え始めた。夕食までまだまだ時間もある。幸い家からそう遠くない距離に賭場がある。東京で生活していたら現地に行ける機会は貴重。
というわけで、競馬一筋であることを吹聴しがちな自分に色々と言い訳をしたうえで、実家から最寄りの宮島競艇場に行ってきました。
観光に向かう人で混雑する電車に揺られて到着。宮島行きフェリー乗り場最寄り駅の一駅手前で降りて徒歩1分で到着。
併設しているコンビニ(がポプラだったことに広島らしさを感じながら)で缶ビールを買うと紙コップに移し替えてもらえたんですが、そりゃそうですよね。観客席から海面までの距離は近いですし、大怪我の多い競技と聞くので、缶なんて投げ込まれて、事故につながろうものなら大変なこと。かなり徹底されていたので、もしかしたら過去に何かあったんですかね。競馬場では缶の移し替えをやっていないものの、思いのほかそういうトラブルに遭遇しない。不思議。
とまあ、アルコールというガソリンを注いだわけで早速舟券を買ってみることに。しかし、出走表を見ても何が何やらさっぱり。ぼんやり美しい瀬戸内海に見とれてしまうような状態だった。ので、周りの声に耳を傾けてみる作戦を敢行。
スタート展示の時に「たくとー!!!」「伝わったかね!あいつ緊張しとるんじゃないん!」と楽しげに騒ぐ若者がいたので、話を聞いてみると小学校の同級生とのことで。興味を持って宮島競艇の公式サイトに掲載される記者の予想を見てみると名前を叫ばれていたレーサーに◎の印。さらに「整備して足は上向きました。行き足が特にいいです。ギヤケースを整備してトルクが出てきました」という本人コメントも。普通自動車免許すら持っていない私には、とにかくいろんなところが「いい」としか分からなかったものの、これも何かの縁かと思って購入したところ、これが的中!いやはや、一つ的中があると途端に競艇が魅力的なギャンブルに思えてきますね。なんとも現金な人間性です。
その他、感じたことをつらつらと書きますと……スタートで勝負が決まることこそ知っていたものの、レースを通して一番盛り上がるのが1コーナーのポジション取りというのは、競馬とは大きく違って、新鮮でありながらも若干戸惑う。ただ隊列が完全に落ち着く2周目(3周目がゴール)の時点で、的中するであろう舟券を握っていた時は、レース中からウイニングランを見ているようで、頬の緩みきった穏やかな表情に。これは競馬の直線のドキドキ感とは真逆で楽しい。贅沢なレース観戦。
もちろん海面を切り裂く白い波と静かな海面に響くモーター音はこれはこれで気持ちいい。結果的に1,000円のマイナスで1日を終えましたが、たまには悪くないかもなーというのが素直な感想です。ま、1レースだけでも的中したからそう思えるんでしょうけどね。いやはやなんとも現金な人間性である。
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場内各所で目にする宮島競艇の公式キャラクター「モンタ」。なぜ猿をモチーフにしたキャラクターなのか売店のおばちゃんに聞いてみたところ「なんでなんじゃろうね」との回答をいただきました。