何かから逃げ続ける悪夢(スパーキングレディカップ)

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  沼津まで釣りに行って、錦糸町で草野球に参加した先週末。まるで、子供ができて家に居場所が無くなってしまったお父さんかのような週末を過ごし終えると、480,000円の的中が期待できた勝馬投票券が紙くずに変わってしまっていた。いくらアジを釣りあげようと、いくらヒットを打ってチームに貢献しようと、馬券で損をしてしまってはどうしようもない。負け額の大きさにヤラれてしまっていたせいか、その晩は“何かよくわからない状況だけど、とにかく逃げ続けなければいけない”というありがちな悪夢を見た。目覚めの瞬間は、その何かに捕まった瞬間。熱帯夜のせいもあって、Tシャツは絞れば汗がしたたりそうなほど濡れていた。
 逃げ切るということは難しい。福田和子も、市橋達也も、『ドーン・オブ・ザ・デッド』ラストシーンのあいつらも迫り来る追手から逃げ切ることができなかったし、文ちゃん演じる広能昌三が言っていたように「狙われるもんより、狙うもんの方が強いんじゃ」なのだ。最後の直線「そのままっ!そのまま!そのまま!あぁぁぁ……」という声は1日競馬場に居れば10回は聞こえてくる言葉で、「そのままっ!そのまま!」が本当にそのままになることなんて、滅多にない。
 
 明日は川崎競馬場交流重賞スパーキングレディーカップJRA勢3頭のセメントマッチに見られているようだが、ブルーチッパーに北海道遠征の資金を稼がせてもらう。散々“逃げることは難しい”と書いていながらにして、それかよ!という結論だけど、マリーンCは、短縮での臨戦となったヴィータアレグレアに半馬身差で土をつけられたものの、今回は1kgもの斤量差がある。そのほかのJRA馬も斤量面や相手関係の面で不安要素が窺える。ここは、コース適性も証明されている当馬の単勝で勝負。Mの法則でいうところの“逃げられなかった逃げ馬”の底力を信じたい。『ドーン・オブ・ザ・デッド』でも『ミスト』でもなく、『ショーシャンクの空に』のようなラストでよろしくお願いします。