有馬記念をいち早く振り返った散文

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知性が身につく競馬というゲームーー有馬記念を終えて次のレースが始まるまで


2018年もまた有馬記念が終わった。レースは道中キセキがアクセルを踏む形で展開し、先頭でゴール板を駆け抜けたのはブラストワンピースだった。鞍上の池添謙一はこれまでクラシック戦線で辛酸を舐めさせられ続けていただけに嬉しい勝利だろう。まだ勝利ジョッキーインタビューが行われてこそいないものの、破顔する面が眼に浮かぶ。


私は先日のブログにも記した通り、オジュウチョウサンの馬券を購入。オジュウチョウサンの走る姿をしかと見届けたいという思いのほかに、「JRAさんよ〜オジュウチョウサンが勝つかどうかで今後の売り上げ変わってくるんちゃいまっか〜またとないチャンスでっせ〜」というスケベな思いも込みで週頭から買うことを決めていた。しかし、実のところそれ以外の馬券も購入していたのだ。なんだかすみません。

というのも、有馬記念が近づくにつれ、さまざまな情報に触れ、何度も予想を繰り返すなかで毎度毎度どうしても一頭の馬に辿り着いてしまうのだ。その馬がミッキースワローだった。余りに展開の合わないレースだった前走を終えた時点から有馬記念に出てきたら買いたいと思っていたことに加え、配当も悪くない。時計のかかる馬場になればなおベター。レース映像も何度も見返してあらゆる条件がこの馬に向くと判断したのだ。結果はまあ着外だったわけで。わずか2分30秒の間に10,000円を溶かしてしまったわけで。心の中で尻もちをついているわけで。しかし聖なる買い足しでなぜか三連複を500円的中させてしまって複雑なわけですが。


とはいえ「これしかない」と思わなければ勝負などできない。しかし「これしかない」と思っていたものが手からすり抜けて落ちることはあるし、もちろんその逆だってある。仕事だって、家族だって、肉体だって、ダメになるときはダメになる。そうなった時、「それだけじゃない」と思案し、生き延びる術を探れる力を知性と呼ぶのではないか。

 

さて、まだ年間の負けを捲れていない私は、競馬で身につけた知性を今こそ発揮する。大混雑のWINS後楽園有馬記念を終えてなお「まだいける」「まだ勝てる」「まだやれる術がある」と、ギラギラ血走らせた目で競馬新聞を睨みつけながら張っているギャンブル中毒者を見て、情けなくなるような励まされるような気持ちで最終レースの馬券を買う。

というわけで、既に最終レースの馬券を購入済みでございます。窮すれば通ずる。そんな諺を体現してみせる所存です。競馬を通じて身につけた諦めない知性を発揮してみせる所存です。