犬猿の仲(函館記念)

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 JDDでのストロングバローズは、道中追走に必死でスタミナ切れ、鞍上も馬場を読む気が無いとしか思えない、徹底的に内を突く騎乗で直線ズルズルと後退。結果カツゲキキトキトにすら先着を許すという体たらくっぷりに終わった。俺が購入した馬券も、ラスト400Mあたりで単勝の目が消えた。その一方でケイティブレイブを軸にキョウエイギア、ストロングバローズに流した500円の馬連を持っていたのだ。「ストロングバローズ軸で間違いない。俺は財布の中身を全て突っ込む」と嘯いた友人からかかってきた電話は(きっとTwitterにアップした馬券を見て「こいつ、嘘つきやがって!他の馬も買ってるやんけ!」という内容の電話だったと思うので)しっかりと無視して、帰路についた。

 嘘をつくのは良くないこと。子供の頃から教えられることだが、人は1日平均4回の嘘をつくらしい。そりゃそうだ。嘘も方言ということわざまであるくらい。嫁にその日その日の予定を全て正直に話す旦那がどこにいるんだろうか。“キャバクラに行く”は“同僚と飲み会に行く”になるし、“仕事が忙しくて”は“1人にさせてくれ”なのだ。時と場合によっては嘘が必要、間違いない。だけど、嘘によって関係性に亀裂が入ることも世の中には少なくない。

 儲けた奴が酒を奢ることが通例となっていた会で、馬券を的中させているにも関わらず、当たっていない風を装い、1人で旨いものを食べていたK西君とはそれ以来どこか疎遠になってしまったし、2人で旅行するにあたって「夜行バスを取っておくね」と言われたので「トイレ付きのバスじゃないと夜行バスでは行かないよ!」と伝えたものの、少しでも交通費を抑えようとして、トイレ無しのバスを予約していたDさん。にも関わらず「トイレ付きのバスにしておいたよ」と、バスの到着まで嘘を突き通してきた彼女に至っては、一瞬にして犬猿の仲となってしまった。だからなんだ、というしょうもない話なんですが、昨日も電話に出てあげればよかったかな……と反省しています(と書いておきましたんで、電話出なかった件、お許しくださいね)。

 さて、今週末の重賞は函館記念。夏競馬らしく闇鍋のようなごった煮のメンバー構成で、展開次第ですべての馬が馬券圏内に入ってくる可能性のあるレース。であれば、人気が無い馬から検討するのがセオリーか、ということで、本命馬をオツウに決めた。

「ぶちかませっ!」

気分としては『スラムダンク』の海南戦で流川が桜木に向かってベンチから叫んだ時と同じ。俺はオツウのことが嫌いだった。福島牝馬ステークスでアースライズを本命にしたときも、多摩川ステークスでゴールドベルを三連複の軸馬にしていたときも。俺の本命馬が4着になることを楽しむかのように軽快な逃げを打ってきた。流川にとっての桜木、ダンプ松本にとっての長与千種、俺にとってのオツウ。そんな、犬猿の仲のような見立てでオツウのことを見ていた。そんな馬に本命の印をうつ時が来た。ムラのある戦績だが、2015年以降は、なんともハーツクライ産駒らしい成績。激走後にその反動が出て、人気落ちで馬券に絡む。前走でストレスは出しきっているだろうから狙うならここだと見た。トップスピードが無いだけに馬券内に残れるか否かは斤量を活かした騎乗に頼るところではあるが、そうなると、鞍上が北村友一というのは心強い。同型のマイネルミラノの存在を不安視する向きもあるだろうけど、楽逃げできないとまったくもって怖い存在ではないし、あちらの鞍上は丹内。心置きなく切りの判断ができる。北村ジョッキーにはヒットザターゲットを導いた時のような絶妙なペース判断を期待しております。それでは、皆さん当日は表参道『よろにく』でよろしく。