適材適所を超越する(ユニコーンS予想)

うまいことを言う人がいるもんだ…

と思った一方で別の考えが浮かんだ。たしかに羽生善治に野球は難しいかもしれないが、大谷翔平は茶道すらもこなしてみせるんじゃなかろうか。それも完璧な形で。


銭湯の脱衣所に置かれたテレビで野球を見ていたら、普段は亀のように動かず、無気力な番頭のおばあちゃんが「あれだろ大谷翔平はすごいだろ。」と声をかけてきた。初めて声を聞いた。

野球に興味のない友人知人も、なぜか大谷翔平に関しては、まるで自分の親戚かのように応援している。

夕刊フジも、日刊ゲンダイも、大谷翔平の話題に関しては、茶化すことなくわが子を誇らしく見守る父のような視点の記事を連発。

本当に大谷翔平ワンダーボーイ。野球において、投手と野手、必要な体力・精神力・技術は異なる。にも関わらず、適材適所を超越した恵まれた能力で世界をアッと驚かせ続けている(どころか最近の大谷はあまりの凄みゆえに世界を沈黙させているといった方が適当かもしれない)のだ。


さて、野球に野手と投手があるならば、競馬には芝馬とダート馬という区分があると言えるだろう。野球がそうであるように、芝とダートでは走るうえで求められる能力は異なる。それだけに、馬券において"芝で良績を残してきたダート転向の人気馬"を購入することは悪手と言えよう。

しかし、今回本命の印を落とすことに決めた馬は、その悪手、芝からダートへの転向馬。ワイドファラオだ。

ワイドファラオが大谷翔平のように適材適所を超越する能力を持っているかどうかはわからないが、大谷翔平が現在進行形で残している偉業に比べれば、競馬における二刀流は前例もあるし、てんで不可能な話というわけではないだろう。


適材適所が求められすぎるあまり、分業化が細かく細かく細かく細かく進んだ社会は果たして幸福な社会なのか、一人ひとりの労働は単純な作業に帰してしまうのではないか。近未来に起こり得るディストピアを杞憂する。

適材適所を超越するほどの絶対的な能力を私は持っていないから、そんな近未来が訪れた時には即座に一作業員という立場に堕してしまうだろう。

だからこそ、適材適所を超越する能力を有した存在に憧れ、夢を見、馬券を買う。頑張れ大谷翔平ユニコーンSの本命はワイドファラオ。