何をもって良い人なの、何をもって悪い人なの

ピエール瀧の薬物問題を取り巻く環境について本当に閉口してしまっています。

近所に住む人は「良い人だったのにねえ」とテレビ局の取材に答えていて。なんですか、薬物やってたら、それだけで悪い人ですか。と、まあワイドショーを見ながら憤る日々を過ごしているわけです。憤るくらいなら見るな、と言われれば、まあその通りなんですが、嫌でも耳には入ってくるものです。

自分が気になっているのは、ピエール瀧を知る人が口を揃えて言う「良い人だった」って言葉なんですよね。

いやあ、何をもって「良い人」で何をもって「悪い人」なんでしょうか。


ジル・ブランドが大統領選に出馬の意向を示したというニュースを受けて、かつての大統領選で最右翼の泡沫候補だったリック・サントラムを思い出したんです、と話を続けます。保守派かつクリスチャンの泡沫候補は、当初の予想に反して、ロムニーに迫る支持を集めたわけですが、それには理由がありまして、ってまあ、それはさておき、彼の主張といえば“伝統的家族”を理想に掲げ、同性婚・妊娠中絶に大反対するというものが、そのほとんどを占めていました(少々極端)。例えば、ゲイ・カルチャーの人々に対して「お前ら獣姦してんじゃねえよ」とか「ポルノがあるから人類は馬鹿になっていくんだよ」などと主張していたこともありましたね。

21世紀の現代に「こいつまじか?!」とつい思ってしまうような主張の持ち主と言わざるを得ない、そんなサントラム氏ですが、彼は一方でHIVの蔓延を止めようと積極的に活動を行ったり、途上国の貧困問題にもコミットし、スーダンの虐殺を阻止しようとしたり。U2のボノから“最も弱き者の守護者”として紹介される一面もあるんですね。しかし、薬物は大嫌い、ゲイは大嫌い、妊娠中絶もってのほか、そんな奴らは人間じゃねえよ、という主張の持ち主でもあったわけでして。 


オチや結論は何もありませんが、何をもって良い人とするのか、何をもって悪い人とするのか。とても難しい問題だな…と思った次第なのでした。

Twitterの競馬界隈で矢鱈と巨乳アピールをして耳目を集めようとしている女性を目にすると、思わず「うっ……」と感じてしまいますが、そんな彼女が良い人なのか、悪い人なのか、どう受け取るべきか、とても難しい問題だな…と思った次第なのでした。