2018年に読んだ良かった本【ノンフィクション・芸術・漫画】
昨日に引き続き今年読んで「ナイス!」と思った本をまとめてみました。ノンフィクション、芸術書、漫画などなどについてです。昨日同様amazonのリンクにはアフィリエイトなど仕込んでおりませんので、単純に楽しい!最高!を共有したい気持ちです。どんどんリンクに飛んでいただければこれ幸い。
[ノンフィクション]
秀作!!!地味といいますかキャッチーさのかけらもないテーマであるが、これは本当に秀作!!!素晴らしい!!!戦争にまつわる書籍で終戦時の日本のさまを触れたものは多くあるが、今作は開戦時のそれを当日の時系列に沿って50を越えるさまざまな文氏の文章から振り返るというもの。意外にも開戦を歓迎する文章が多いんですよね。巻末に採録された「きょうの日記は特別に、ていねいに書いて置きましょう。昭和十六年の十二月八日には日本のまずしい家庭の主婦は、どんな一日を送ったか、ちょっと書いて置きましょう」という書き出しから始まる太宰の文章の素晴らしさを含め、私の知らなかった日本の姿を知らされる。エンターテイメントとしても極上!
死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
- 作者: ドニー・アイカー,安原和見
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/08/25
- メディア: 単行本
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-30℃の極寒にもかかわらず服も着ておらず、頭蓋骨を損傷していたり、舌が抜かれていたり、高濃度の放射能が検出されたり。冷戦下のソ連で起こった猟奇的遭難事件の謎にアメリカ人ジャーナリストが迫る。現代と過去を交錯させながら多角的な発想で1つひとつ事件を解き明かす構成は手に汗握ること間違いなしで読み口はもはやミステリ。スリリング一気読み。
ニュースでも散々話題になった認知症患者がスタッフのレストランに関してのドキュメンタリ。注文通りくれば嬉しいし、注文通り来なくても笑って許せる、いろんなことを厳密にしすぎないゆとりって大事ですよね。齢90を目前にしてとうとうボケてきた祖母のことを微笑ましく思い出しながら読んだ。たまにはこういう本もいい。
「芸術書]
『仁義なき戦い』の作者で知られる氏の個人選集。いまの時代脚本家の個人選集が出版できるのは笠原さんだけじゃないですかね。演出家から「セリフが濡れている」と評される氏の脚本だが、まさしくその通り。職人技術の創作は巧妙としかいうほかないですし、音読するだけで映像がありありと立ち現れる。本当にすごい。この先10年出てこないレベルの一作。さすが国書刊行会。
ウィリアム・モリスの世界 100枚レターブック ([バラエティ])
- 作者: パイインターナショナル
- 出版社/メーカー: パイインターナショナル
- 発売日: 2017/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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芸術書といいますか雑貨寄りの一冊。というのも、この本文字が書いてあるのは1折だけで、それ以外の大部分は美麗な絵柄がさまざまな質感の紙にプリントされているだけ、いわば便箋のようなもので1枚1枚をペリペリ剥がして使うことができるというもの。ちょっとした書き置きだとか手紙に使うと(特に女性の方から)褒められることが多いんですよね。はい下心です。
[漫画]
平成の終わりが騒がれる2018年に出たことが奇跡的。昭和で生まれて平成で死んでいった人情話が詰め込まれたクスクス系短編。味わい深い。カップ酒を飲むわずかな時間ちまちま読み進めて楽しみたい。
インターネットで連載されていることを知った本作。タイトル通り「アニメ制作がやりたいが、一人では心細くって一歩が踏み出せない。
そんな折、同級生のカリスマ読者モデル、水崎ツバメと出会い、実は水崎もアニメーター志望なことが判明し・・・!? 」というクリエイティブ冒険譚。SF的ガジェット的遊び心に溢れて、それだけで楽しいし、漫画で描かれるキャラクターが無邪気に一直線であるのと同様に作家さん自身も無邪気にやりたい事に一直線で読んでいてとにかく微笑ましい。
本でも映画でも音楽でも、その年の良かったものを振り返ると「もっと色々見聞きしたと思うんだけどなあ。なんか大事なアレを思い出せてない気がするんだよなあ。」という気持ちになるのが毎年の通例で今年も同様。それも含めた年間ベストという感すらある。一時期を除いてほとんど更新をしていなかったこのブログに訪問してくださった皆様には感謝の一言しかありません。これからも雑文を気ままに更新しますんでご贔屓によろしくお願いします。それではよいお年をお迎えください!