待ちに待った果ての(新潟2歳S予想)

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動画広告が世間を賑わせている。
サントリーの頂だとか、宮城県観光PRの壇蜜だとか、あとはなんだ、牛乳石鹸とか?
見ている一部の方々は、個人の不快感→結束→炎上というのがお決まりの流れで、毎度のごとくPCを振りかざした偽善者が反対勢力となり、血気盛んに集っている。気味が悪い。思わず誰かが言っていた「ネットは陰性感情を増幅させる装置」という発言を思い返した。
企業・自治体も炎上による拡散を狙っているフシがあって、動画広告の界隈はほんと「踊る阿呆と踊らぬ阿呆、それはつまりどっちも阿呆」みたいな状況に見えて仕方ない。
代理店の人間もクライアントの人間も「バズ」らせるために、過激な演出を加えて、それを見つけたユーザーが炎上させるというなんともハイプ極まれり!みたいな構造でなんとも……
ってジジイの説教が書きたいわけではない。
いいなと思った動画広告の話から筆を進めたい。筆じゃなくてキーボード、でもなくてiPhoneのタッチスクリーン……


ドコモの『25年前の夏』はウェルメイドな広告だった。
カップルがともに過ごしてきた25年という時間を、彼らと彼らの娘の視線を通しつつ、その時々に流行していた携帯を小道具に物語を展開させる内容で一度は目にしているだろう。
そして、昔、携帯を持ってなかった頃の付き合いから記憶を遡ってみたはずだ。
…約束の場所に早めに到着して彼女を待つ。
電車から降りてくる姿を、一枚の絵のように想像しながら。
とはいえ、彼女はなかなか降りてこない。
次の電車からも、その次の電車からも、なかなか彼女は降りてこない。
心配が段々とイライラに変わり、彼女の想いが疑わしくなってくる。
そうするうちに彼女は到着。
なんてことない到着ですら奇跡のように感じられた、うん。
"遅れたことのたわいのない原因を説明する彼女は、なんと美しく、魅力に満ちていることか"
気持ちを揺さぶるような「待つ」文化がたしかにそこにはあった。
って四方田犬彦のエッセイが紹介されたコラムを引用しつつ、ジジイの思い出与太話が書きたいわけではない。


時間もない(し、筆….じゃなくてキーボード……じゃなくて……タッチスクリーンが進まない)ので本題。新潟2歳Sの予想。本命はグランデウィーク。
スペシャルウィーク×stormcatのいわゆるマルゼンスキー相似クロスで父系がスペシャルだろうとこんなの早熟マイラーほぼ確定案件(しかもかなりstormcat出ててなおさらその可能性)なんだから3歳春まではマイルでベタ買いで仕方ない。
初戦も不利で外に振られながら直線は抜きつつ辛勝。どの馬よりも強い競馬を見せた。もともとグランデ牧場がトレーニングセールで4800万円という異常価格での台付を設定した時点で、生産側の期待が見て取れる。まあそりゃそうですよね。2歳の早い段階から11秒台刻んでるんですもん…というわけで新潟の脚力勝負にも不安視なし。
唯一にして最大の不安材料は中間のザ石だが、そこはまあ出走するということで…なんとか……
本音をいえば東スポ杯2歳Sまで待ってほしかった気持ちもあるけど、レース選択に関与できるはずもないですしね。
陣営に不満がないと言い切れこそしないものの長く楽しみにしていた一戦。
待ちに待った果てに訪れる歓喜の瞬間に立ち会いたい、あの頃、彼女が電車から降りて現れた時のように、ねえ。