道徳教育(大阪杯予想)

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ある日、お母さんからお菓子代として200円のお小遣いをもらった中田くんは近所にある和菓子屋に行きました。
すると、店の前で「お腹が空いたよ〜」と小さな声で涙ぐむ女の子がいました。
ただし、食べたかったいちご大福の値段は110円。ふたつ買って、ひとつを自分で食べ、もうひとつを女の子にあげることはできません。
「おばさん、いちご大福ひとつちょうだい」
「はいよ!いちご大福ひとつね!いつもありがとね!」
中田くんは買ったばかりのいちご大福を食べることなく、目の前にいた女の子にあげました。
「え?くれるの?ありがとう!」
「いいんだ!すごくお腹空いてそうだったから!」
お腹は空いたけど、ちょっといいことをした気分。家に帰った中田くんはお母さんにこう言います。
「さっきはお小遣いありがとう!いちご大福を食べてきたよ!」
「まあ!美味しかった?」
「うん!」
中田くんはお母さんを心配させたくないという思いから、とっさに嘘をついてしまいました。
はたして彼の行動・言動は正しかったのでしょうか。


いやいや、いったいなんでこんな意味不明な文章から始めるんだ。
というのも、道徳が教科化されることが決まって、その教科書制作の過程で「消防団のおじさん」が「おじいさん」に、「パン屋」が「和菓子屋」に、「公園の遊具」が「和楽器店」に変更されたというニュースを受けて、なんというか、俺の中に潜む説教ジジイめいた部分が燃焼してきたわけですな。
以下、面倒なジジくさい文章がつらつら並びます、埃臭い4畳間から失礼します。


単刀直入に、これだけ多様性がありありと表れる時代に、「パン屋」を「和菓子屋」に変更するって、道徳の教科書検定にもかかわらず、なんて道徳のない話なのか。
修正に至った理由はといえば、文科省が学習生活指導要綱に基づき「わが国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つ」点が不足していることを気にして、というもの。
その指摘を出版社が修正したと経緯も交えて報道された(この理不尽な修正指示に立場上従わざるをえない編集者、ならびにイラストレーター、ライターの方々の苦行とも呼べる作業はいたたまれないけど、そうした面はひとまず置いておいて)。いやはや甚だおかしい話だ。
はじめに書いた文章の「和菓子屋」を「パン屋」に変えたって、なんら問題ないだろうに。
あの文章が道徳的かどうか、自分では判断しかねるけど、教科書的な道徳性はあるでしょ、多分。
更にそんな中、文科省による天下り問題も最終報告書が出て明るみになった。
万人が同じ感想を抱いているだろうなか、あえて屋上屋を重ねると、身内に利のある面ではルール無用で余念なく、教科書検定という本質においては石部金吉のごとく杓子定規のルールを持ってくる。
なんとも利己的で道徳心のない話としかいえない。
そんな杓子定規も問題だし、本質(教育の内容)よりも体裁(言葉尻)にこだわるような態度は唾棄すべきものだと思いますけどね、うん。
「あ、もしかして、文科省さんが身をもって反面教師を演じてくれたんですかね」
とまあ、そんな姑の小言ばりの嫌味を吐きたくすらなってくる次第。


って、そんなことを声高に主張したいとも思ってないんですけどね。
ポーズポーズ。
じゃあなんでポーズとはいっても、わざわざ面倒な話題を先に書いたのかって、そりゃこの後に続く競馬予想の文章の前段としてですよ。
そして、俺もちょうど今、頭の上がらないクライアントからの理不尽な修正指示に頭を悩ませてるからな!!!
ということで競馬の話、本質の話に。


WINSや競馬場にいる先輩方は今後数百年先を見通しても、道徳の教科書に登場することのない人物が揃っていると言って差し支えない。
きっと今週末はより一層大きなサウンドで非・道徳的な声が聞こえるだろう。
なんてったってキタサンブラックが登場する大阪杯が開催される。それにくわえて初G1。
そこで私が本命の印を打って購入する馬はモンドインテロだ。
距離における鮮度も、カテゴリーにおける鮮度も頭一つ抜けているのが最も大きな理由。
しかも、前走が大幅な短縮で厳しい流れになっているなかで先行して3着に残したというところから、この馬がどんな条件でもある程度着順をまとめられる高いポテンシャルを持っていることは証明されていて。
さすがに前半3ハロンが32秒台以下となると好成績を残せていないものの、大阪杯の過去の成績を見ても、今回がそこまでのハイペースになるとは考えづらい。
ロードヴァンドール、マルターズアポジーがハナを競り合い、並びが落ち着く頃にはキタサンブラックが番手になって、そのうち潰しにかかる。
前にいる馬に圧力がかかるなか、さらにその1,2列後ろからモンドインテロが勝負を仕掛ける、想定される位置は絶好。
更に単勝想定13番人気、いやはやマークシートを塗らない理由がない。


ポーズとはいえ、罵るだけで終わるのはいかがなものかと思うので、最後に俺から文科省への提言をひとつ。
まず道徳とは一体なんなのか。
辞書に書かれた字面をコピペすると“社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準”とある。
そう仮定すると、他の教科と違う唯一にして最大の特徴が浮かび上がってくる。
反面教師が活きるということだ。
「ああなってはいけないな」
「ああいう言葉を人に向けて言っちゃダメだな」
その反対を志せば、自ずと道徳心は磨かれていくものでしょう。
ということで、先生方も生徒を引き連れて中山競馬場に行ってみてはいかがでしょうか。
俺たちがしっかり反面教師になりますんで。ばっちり教育させていただきますんで。