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新聞の見出しを考える(フェブラリーステークス予想)

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自分の携わった本がなかなか売れない。
出版不況が叫ばれて早数年。仕方ないことなのかもしれない。とはいえ、新たに企画をひねり出す必要はあるわけで。多くの編集者は企画づくりに日々苦心する。
そんな時代にもかかわらず有象無象の出版社は毎年毎年信じられないほどの数の本を出版しているんですよね。
その数なんと年間約80,000冊。
いやはやiPhoneひとつあれば、日常生活の悲喜こもごも、さまざまな情報を得られる時代において、そんなに大量の書籍をいったい誰が購入しているんだろう(いやまあ取次を含めた出版ビジネスの歪なスタイルについてはひとまずおいておくとして)。
自分の携わった書籍の売り上げを確認しながら、投げやりに、そんな風に思う。
とはいえ諦念してしまっては元も子もない。そのまま自然と指は売り上げランキングのページをクリック。
するとあれよあれよ。
「ダイエット」とか「健康」とか「成功してる人の○○」とか。あとはアイドルの写真集とか。いやまあそうした大きなテーマが出てくるわけですよ。
ただ自分の動かせる規模では大きなテーマではなかなか売れるものがつくれない。広告とかそうした書籍内容以外が重要だったりしますしね。
ということでもうすこし。枝葉末節まで目を張り巡らせていくと、実現可能そうなテーマが出てくる。「レシピ」「登山」「映画」……こうしたテーマに変わってくる。
例えば「レシピ」でいうと『忙しい女子のためのつくおきレシピ』なる本はバカ売れした。
これくらいの規模感のテーマなら自分でも手に負えなくはない。とかく、昔からある程度の需要が見込めて、そのうえで、時代時代によって換骨奪胎されたテーマ、というのが売れる本の第一条件といえるかもしれない。


このままつらつらと書き連ねていくと、そうしたテーマのひとつに「新聞」もあるなー、と気づいたという話。
『思考の整理学』が大ベストセラーとなった外山滋比古さんの『新聞大学』や、池上彰の『新聞の活用術』など。そうした定番的な切り口の一冊もうえに挙げた条件に当て嵌まる。出版予定中の『芸人式 新聞の読み方』なる一冊もそうだ。この最後者の企画は特に面白そうだったので簡単に紹介文をコピペ。
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・朝刊紙社説は、「大御所の師匠」からの言葉として読む。
・スポーツ紙と芸能事務所の深い関係から見える「SMAP解散の真実」。
・森喜郎氏の記事を読むことは日本の政治家を考えることだ。
・「日刊ゲンダイ」の終わらない学生運動魂。
・「東京スポーツ」から「週刊文春」へ。最強のスクープバケツリレー。
結局、新聞にこそ、世の中の仕組みが詰まっているのです!
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どうですか?面白そうじゃないですか?
これなら俺たちのスポーツ紙もより味わい深くなるというかなんというか。
売れそうな本だなー。と思っていたところ、今週興味深いスポーツ紙見出しが登場していたので今回はそんな話を書いていけたらと思います。
(ここまでの長文がすべて前置き!もっとシンプルに物書きできるようになりたい!)


さてさて、今週最もワイドジャーナルを賑わせたのは「金正男が殺された」あの一件じゃないだろうか。
この時のスポーツ紙各紙の報道がなかなかに興味を惹かれるものだった。
手元に新聞がある人は是非とも確認していただきながら、ブログを読んでもらえればと思うのだが、殺害の報せが届いた直後は各紙とも驚くほど穏やかな報道調子だったのだ。
それは、確実に金正男本人なのかがわからないから、というのが理由としてあるのかもしれないし、印刷が間に合わなかったのかもしれない。
そうした理由は考えられるものの、とにかく穏やかな報道だったことは紛れも無い事実。
その翌日。どうやら犯行現場のビデオカメラから、実行犯が若い女性だったことがわかった途端、報道規模が一気に大きくなる。
やれ「毒霧」だの、やれ「ミニスカ」だの、「美人暗殺者」だの。なんともオヤジ好みしそうな言葉を大見出しにして、連ねて並び立てる。報知もスポニチもその他各紙も色めき立って騒ぎ始めた。


これがなんというか。可愛らしいな。と。
我々競馬ファンは、馬柱の頁だけを引き抜きがち(そして『男セン』をチラッと見がち)だけど、こうしてうがった見方で考えてみるとスポーツ紙という媒体がなんとも愛おしいものに思えてくる。
職場に必ずひとりくらいはいそうなオヤジがスポーツ紙だとすると……
女性社員に理解があるつもりでいるが、女性を信頼していないことが言葉の端々に、ついうっかり出てしまう。
そのくせスポーツニュースにはかなり気を配る。人間関係に細かい配慮をみせて、組織のなかでの生き方に強い関心をもっているようだ。
そのぶん人知れずストレスをため込んでいるのか、ちょっとテンションが上がると暑苦しい人生訓を語りはじめる癖がある。
さらにテンションが上がると、彼自身の考える「日本人らしさ」や日本人の国民性みたいなものを語りはじめる。
こういう親父の無垢で陽気。それでいて遠慮が隠せない。そんな性格が今回の金正男に関する報道からあけすけになったなー、と。うん。


他にも多くのワイドジャーナルが登場した今週末に開催されるのは2017年初のG1レース、フェブラリーステークス
自分はアスカノロマンを本命に推したい。
1600mへの短縮ショックを生かして、差しに回る位置取りショックに期待。そのためには枠順がなんとも不自由な感じではあるが、ジョッキー・調教師のコメントからも揉まれない競馬を目指すことはハッキリとしていて。それでいて、単勝オッズが25.6倍なら本命に推して十分に期待値があるだろう。
思えばここ最近はチャゲ&飛鳥ASKAの名前に重ねられて面白おかしくスポーツ紙に報道されてきたアスカノロマン
そんなASKAが逮捕後の新曲『FUKUOKA』を故郷の福岡でテレビ初披露したのもたしか今週の話。ASKAが捲土重来を図ったようにアスカノロマンも手の届いてこなかったG1タイトルの奪取に挑む。
ここを勝って、明日のスポーツ紙がどういう報道をとるのか。
どんな見出しで騒ぎ立てるのか。
そんなことを楽しみにするのも一興かもしれない。