読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

しみったれた夜(AJCC予想)

馬券

f:id:BxKxN:20170122084726j:image

Y口A香(29歳)
中学高校大学。それくらいの年頃でぼんやり考えていた将来のかたち。
仕事とか生活とか、あてもないのに何故か幸せな未来を想像できていた。
「23歳くらいで友達に紹介してもらった男と付き合い始めて、2,3年付き合って結婚して。その次の年には子供もできる。できたら3人くらい子供は欲しいかな。老後もちゃんと面倒見てもらうために。」
高校生の頃、学校帰りのマクドナルドでそう話していた彼女も、歳を重ねるにつれ、酸いも甘いも噛み分けられるようになる程度に経験を積んだ。
人生を語れるほど而立しているわけではないものの、“普通の幸せ”っていうものが、いかに綱渡りを繰り返した果てにあるものなのか、いかに難しいことなのかを最近理解できるようになったという。


久しぶりにFacebookを開いて、縁遠くなってしまった若い頃の友人のページに飛んでみると、ある人は大手代理店の選抜チームに選ばれていたり、ある人は一部上場企業の旦那を捕まえていたり、ある人は3年ほど更新が止まっていたり。そういうことってあるよね。
昔の友人と、今の自分を照らし合わせながら、安堵したり、悔しくなったり、虚しくなったり。
「あの子が結婚だって!信じられないわ!」と息巻いたかと思えば、「全然更新してない人は今何してんだろうね」と不安な体を装って蔑む。
まあ、そうした、不毛で根暗な、しみったれた夜を過ごすことは俺自身たまにあるし、似たような夜はきっと誰にだってある。
だからと言って深夜3時に電話を鳴らすのはやめてほしい。そう伝えて電話を切った。
そう、ここまでは酔っ払いからかかってきた電話の内容をまとめただけ。
内容がないのも仕方ない。
周りと自分とを比べて、その現状の差について無駄に落ち込んだり、なんなら、将来の差まで気にして無駄に落ち込んだり。わかるけどね、うん。


と、こんな、読んでる人の気持ちを暗くさせてしまうような話はこの辺にしておいて、競馬の話に移ろう。
今週末にはふたつのG2レースが開催される。ここでは、昭和35年から開催され続ける伝統の重賞、AJCCの話。


今年のAJCC。出走する馬の中で本命の印を打つのはナスノセイカンに決めた。
思えば、ナスノセイカンも昔は自身の成績に葛藤を抱えざるを得ない競走成績だった。
未勝利戦を突破し、京成杯に乗り込んだものの大敗。
その後10数戦ほど、掲示板に乗るか乗らないか。そんな成績を行き来していた。
その間にも京成杯で戦った馬たちは重賞で成績を積み重ねていく。
彼が人間だったら、冒頭の彼女のような悲観を口にしたかもしれない。
周りと自分とを比べて、その現状の差について無駄に落ち込んだり、なんなら、将来の差まで気にして無駄に落ち込んだり。そんなこともあったかもしれない。
それでも彼は走り続けた。
まあ、馬という経済動物だから、走り続けさせられたんだけど。

今となっては、格のある相手に対して、悪くない競馬を重ねるほどになり、AJCCへいざ殴り込み。
派手な成績は残していないし、エリート街道を歩めるほどの馬ではなかった。
今回のAJCCでも周りの馬と馬柱に並べられた文字・着順を比べてしまうと、力量は思ってみえるかもしれない。
ただし、ナスノセイカンはここに至るまでのリズムが極上。ハーツクライ産駒だけに格上げ戦も大歓迎。それでいて延長。スタミナの求められる中山2200の舞台で、その末脚が発揮されれば十分馬券圏内が考えられる。どうにか内枠をせこく乗って、コーナーで外差ししてもらえれば……


などとつらつら。
自分の現状を人と比べても仕方ない。将来は今より恵まれた未来が待っているかもしれないし、その逆もありえる。
ただひとつ言えるのは、人と自分を比較して無駄にやさぐれても仕方ないということで。
そんなことをナスノセイカンの戦績に思った。
そうした中でナスノセイカンが馬券になったら痺れるじゃないですか。
全ての恵まれてこなかった人たちのためにナスノセイカン大本命。
AJCCはナスノセイカンに全部。