詰まりに気をつけろ(中山金杯予想)

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新幹線のホームにて小さな男の子に対して。
「お正月は何してた?」
「おじいちゃんの家に行って凧揚げしました!」
「楽しかった?」
「楽しかった!」


駅前のロータリーにてスーツを着た女性に対して。
「年末年始はどのように過ごされました?」
「寝正月でした。」
「今日が仕事始めですか?」
「そうですね。リフレッシュさせてもらったので、また今日から頑張ります。」


賽銭開きをする銀行の営業マン。
東京株式市場の大発会を華やかに彩る和服を着た女性。
箱根駅伝の結果とともに私生活に密着される大学生ランナー。
顔ぶれこそ違えど、年始を伝えるうえで必須な風景のようですらある、そんな映像を何の気なしに眺めていると「ああ、今年も一つ年を越せたんだな。」だなんてことをしみじみ思う。日本で育っているなら、そんな感情、誰もが身に覚えがあるはず。


ただ、上にあげたニュースだけでは物足りない。
年始を感じさせる報道で最も重要なあのニュースが今年も流れてきた。
“餅を詰まらせる事故、都内で11人搬送され2人死亡”
そんな見出しで伝えられるニュースは
“餅は小さく切ってゆっくりかんでから飲み込むよう注意を呼びかけています”
の一文で締めくくられる。
これだけ毎年報道されているのにも関わらず、餅を詰まらせて逝く人が絶えないことには、呆れに似た感情を抱いてしまうが、やっぱり餅を喉に詰まらせて死ぬ人がいない年始というのもどこか味気ない気がする。
実家への帰省。仕事始め。賽銭開き。大発会。それに加えて餅に関する報道。
そこまで揃って、ようやく年を越せた実感が湧いてくる。この感情も分かってもらえる、はず。


ただ、競馬とずぶずぶな関係になってしまった人間にとっては、それすらも過去の話。
実家への帰省。仕事始め。賽銭開き。大発会。それに加えて餅に関する報道。
更に、東西金杯の枠順入りの出馬表発表。
ここまで揃ってようやくツモ。
「ああ、今年も年が明けたんだな。」
毎週競馬をやっている人にとっては、これこそが最も年明けを実感させる出来事じゃないだろうか。


そんな金杯
中山金杯で◎の印を落とす馬はダノンメジャー。
前走のチャレンジCは8着と着順こそ目立たないものの、馬場も伸びないところを通り、展開も差し有利だった。そんな中、勝ち馬のマイネルハニー相手に0.3秒差まで残したことは優秀。
鞍上の小牧も前受けさせれば、不細工な競馬はしない騎手なだけに好感が持てる。この一鞍のために東上してくるというのも、(橋口息子との付き合いもあるだろうけど)勝算を持っていることを匂わせる。
中山芝2000Mで中穴の逃げ馬、S質の強いまとまり系を本命視するのは新年早々「わかってねーな」と自虐したくなるところもあるが、今年もこんな調子で打ち続けるつもりです。


冒頭の餅が詰まる話じゃないけど、詰まっていいものなんて、蟹の脚の身くらいなもんで、ぎっちぎちに詰まっているブラのパットも脱がしてみればがっかりものだし、長距離移動中の高速道路も詰まってしまうとイライラが募るだけ。餅を詰まらせたら報道されている通り最悪死んでしまう。
詰まることが悪いのは競馬も同じ。道中の進路が詰まっては価値が遠ざかるのみ。
ダノンメジャーが一本気で逃げて、詰まることなく中山の急坂も乗り切る。そんな決着で新年また始めていきましょう。