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大口投票とかの話(天皇賞・秋)

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夏から秋。

季節の境目として、秋分という時候こそ定められているものの、2016年に生きる誰もが、実感として「秋分になったら秋だ」と思えないように、季節の境界は明確なものではない。
同じように感じられるのが、夏競馬から秋競馬。
そりゃ、開催がローカルから中山に移り変わったら、秋競馬のはじまりなわけだけど、その瞬間に「よし秋競馬の始まりじゃ!」と実感が持てない。すぐさま秋競馬の始まりを実感できる人もいるだろうけど、自分はそうではないのだ。
そんな俺が毎年秋競馬の訪れを実感できるようになるのが、今週末に開催される天皇賞の頃から。菊花賞を終え、日本を代表する名馬が日本を代表する競馬場に集結するから、というそれだけの理由でもなく、肌寒さを感じる気温になったからという理由でも決してない。では、一体なんで、毎年この時期になると秋競馬の到来を痛切するようになるのか。考えてみると、その大きな理由に『大口投票』の存在があることに気づいた。

 

先週の菊花賞でもサトノダイヤモンド単勝ディーマジェスティ複勝に数百万円単位の投票があったという。夏競馬の頃には聞くことの少ない大口投票に関するニュース。年間数千レース単位で中央競馬主催のレースが開かれているわけで、そのどのレースにも大口投票をするチャンスは潜んでいる。

それにも関わらず、大きなレースになるにつれ、その報を聞くことが多くなるのは、レースそれ自体の注目度もさることながら、人が大口投票をする動機には、ある種の祭りへの参加意識があるからじゃないだろうか。そんなお祭り感のあるレースの到来に気づかせてくれる『大口投票』こそが夏競馬から秋競馬への移り変わりを俺に実感させてくれるんだ、きっと。

 

大口投票といえばテリー・ラムズデンの話をしないわけにはいかん。自分はこの男について『競馬漂流記』で知ったのだけど、競馬史上最大のギャンブラーと呼ばれたその男の桁外れな競馬への向き合い方は、活字の一つひとつからも滲み出てきていた。

16歳で地元を離れ、投資会社を起業、バブルの時期に日本の株を扱うことで一儲け。本によると、1979年から85年までの6年間で5,000億円ものお金を動かして、多大な利益を生み出していたという。週90時間休みなく株に向き合っていた彼は、息抜きのひとつとして競馬を始めるのだが、競馬は彼の博打打ちとしての本能に別の火をつけた。

株と同じように競馬にものめり込み、異常な額の馬券を購入。金額にして、1,000万円を賭けることはザラで、多い時には2億5,000万円もの大金を馬券に変えていたそうだ。
しかし、そんな生活は長く続かない。1987年のブラックマンデー、株の大暴落とともにラムズデンは100億円もの負債を背負うことになったという。ちなみに、馬券以外に、馬の購入にもラムズデンは躍起で、一時は名牝ケイティスをも所有していた。それも悪夢の月曜日によって、売却しなければならなくなり、日本に流れてきたのだけど。そして、そのケイティスがあのヒシアマゾンを産み出した母馬だったのだ……というのはちょっと別の話か。

 

うん、話が逸れてしまった。そんな破天荒な博打の打ち方には到底及ばないものの、週末の天皇賞でも誰かが既にある馬に大口投票を行なった。その馬こそ、今回の俺の本命馬ステファノス
前走の毎日王冠は外伸び馬場の中、内枠に突っ込み、直線で詰まりながらも1着のルージュバックに0.8秒差。そのルージュバックは、前走がダウン・小頭数・外枠とL系の走る条件が揃っていただけに、この0.8秒差は着差以上に価値がある。バウンド延長で楽に前目につけられるだろうローテーションも良いし、ポテンシャルは去年の秋天で証明済み。前走凡走して、ストレス抜いた叩き2戦目(2・2・0・1)の7番人気なら買わざるを得ない、鞍上の騎乗が不安視されているようですが、川田いい騎手だと思ってる自分としては、もう任せるのみ、うん。
もちろん俺は大口で投票するわけでもなく(出来るわけもなく)、小遣いの範囲内でまた豆券を購入するわけだけれども。ステファノスを軸にした馬連で秋競馬に挑む。