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トニー・モンタナのように散った5月29日(安田記念)

馬券

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友人Rはグラスに勝馬投票券を投げ捨てた 

 

アルタ前には想像以上に多くの人が集まっていたので、近場のパブに移動してダービーを観戦。この日のために適当に考えられたであろうカクテル“ダービー”(ウイスキーベース、ミントが入っていて、なぜかえらく甘い)を飲んでいると、ゲートが開いた。出遅れたのはマウントロブソン……何度も脳内で検討し、算盤をはじき、導き出した予想が地面に吸い込まれるように崩れ去りながら、いつの間にかレースは決着した。川田の勝利ジョッキーインタビューを一言も覚えていない。いつの間にかパブを出て人の波を逆走しながら、WINSの階段を上っていた。

 

「かかってきやがれ!俺はまだ死んでないぞ!」

 『スカーフェイス』のラストシーン、アル・パチーノ演じるトニー・モンタナがM203グレネードランチャーを手にしながらあげる最期のセリフだが、この時の俺の気持ちも同じようなものだったろう。酎ハイを流し込むことで思考を鈍らせながら、ダービーの負けを取り返そうと意気込んだ。その後はよくある話で、11R、12Rと続けざまにやられた。

 

 負けが続くことはよくあること。だが、負け続けていても博打打ちなんだもの、賭けられるレースに参加しない訳にはいかない。参加し続けることで、いつか、100万馬券を手にすることができるかもしれない。

 5月31日、フランスで開催されている国際的なテニスの大会、全仏オープンテニスで大波乱が起きた。レーティング世界102位の選手が、シード権まで獲得している同2位の選手を打ち負かしたそうだ。これを聞いて、思い浮かんだのは2012年の天皇賞春。圧倒的一番人気だったオルフェーヴルを打ち負かし、G1の単勝配当記録3位の15,960円を記録したのはビートブラック。他馬がオルフェーヴルをマークして仕掛けどころを伺う中、大逃げを打ったビートブラックは、淀の高速馬場が味方したからか、ダートでの経験によるスタミナが活きたのか、そのまま逃げ切った。あのオルフェーヴルにミスキャスト産駒の馬が土をつけたあのレースだ。

 

 さて、日本ダービーが終わり、一区切りついた感のあるこのタイミングで開催されるのは、日本に競馬を根付かせた御人、安田伊左衛門氏の名前が冠となるG1レース安田記念。2016年も、こうして毎週末博打に興じることができるという状況をつくってくれた氏に対して、ありがた迷惑な気持ちを抱きながら握りしめる馬券の軸はダノンシャークに決めた。上がりの出せる馬の活躍がとにかく目立つ舞台。前走、トラックバイアスに恵まれたとはいえ、上がり2位の末脚を見せての2着。ストレスや鞍上など、不安要素がないわけではないが、調教を見て、十分に足りると判断した。負けが続くことを恐れない精神を保たなければ、人気薄の馬の“金”星を喜べず、かつ、大“金”も手にできない。

 

「かかってきやがれ!俺はまだ死んでないぞ!」

トニー・モンタナばりの気概で今後もターフに向かう所存です。