流石にふざけすぎ……(京都記念予想)

 話題のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。「ガッキー可愛いな」「石田ゆり子さんもいいぞ」…などと、まったく世間と同じ反応で見たのだが、ドラマのあちこちに効果的に使われるアコーディオンのBGMやSE(効果音)を聞いて、ぼくは、
「ん?」
 と思った。
「む、む、む? この雰囲気。なんか以前に感じたことがあるぞ……」
 と。それは何か?

 いわゆる「劇伴」。ドラマの伴奏音楽だ。ここにどんな音楽を使うかで、ドラマの世界観が変わってくる。『逃げ恥』の場合、ところどころにアコーディオンが使われている。アコーディオンの音色が持つ、人間くさく、ヨーロッパ的でレトロ、おしゃれだがややコミカルで、どこか作りごとめいた響き。それが、この物語世界に合っている。うまいチョイスだ。
 そこで、スタッフ・クレジットを見た。
 このドラマは、エンディングの星野源さんの曲と恋ダンスばかりが注目されているが、オープニング曲は「チャラン・ポ・ランタン」とあった。
「あ、それか!」
 とぼくは思い出した。

「藤井さん、連続ラジオドラマをやりたいんです」
 と声をかけられたのは、2010年の6月。ニッポン放送のM編成局長からだ。
 ぼくは喜んだ。今どき、お金がかかるラジオドラマを、しかも連続物でやろうなんて企画は、普通は出てこない。それだけでも嬉しくて、驚いたのだが、
「時代劇をやりたいんです」
 と言われて、ぼくはさらに驚いた。ちょうどこの年、NHKの大河ドラマは『龍馬伝』で盛り上がっていたからだろう。節操がないとも言えるが、流行りモノに乗るというのも大事なのだ。ところがさらに、
「可愛い女の子が出てくるのがいい」
 とも言うのだ。前々年の大河ドラマが『篤姫』で、これもヒットしていたからか? 

 そこでぼくは『幕末三姉妹』というアイデアを出した。可愛い女の子はドーンと三人出そうじゃないか! 時代劇一番人気の幕末でいこうじゃないか!…と。
 どういうドラマかというと…黒船来航以来、開国か攘夷か佐幕か尊王かで日本中が大騒ぎ。たいては水戸や薩摩、長州、土佐、会津…なんて各藩が登場する。しかし、そんなに個性がハッキリしている藩なんて少数なのだ。
 三百弱ある藩の多くは、「ウチはどっちに付きゃいいんだ?」とオロオロうろうろ。とくに小藩なんて、定見もなく、とりあえず勝ちそうな方に乗っかろうと考える。そこらへん、いつの時代も同じだ。
 そこで、その名も「日和見藩」という小藩があって、そこのお姫様三姉妹が主役。そこになぜか龍馬や西郷ドンや勝海舟なども絡む形で、コミカルに幕末から明治維新までを描くドラマだ。

 ところで、実はラジオドラマでの時代劇というのは地味なのだ。現代ものやSFと違って、時代劇はSE(効果音)が少ない。
 なので、時代劇の中に突然、現代がドキュメンタリー的に混ざる形にした。つまり、現代ならば、黒船が来た時は当然ワイドショーが取り上げるだろうし、桜田門外の変の時は現場からリポーターが報告するだろう(ニッポン放送桜田門はとても近いし)…そういうことを、実際の局アナウンサーや報道部員にパロディ風にやってもらう、というアイデア。これでガチャガチャして、派手になる。

 三姉妹役は志保、相葉香凛岡崎歩美という可愛い三人を選んだ。そしてこの時、劇伴に選んだのが、まだまったく無名だったチャラン・ポ・ランタンアコーディオンだったのだ。


……
だそうでーす。
ここまで全てネットにあがってた文章をコピペ。全く読んでないけど1番にヒットしたものをコピペ。
まあ、とかく、そういう話……

逃げるが…….って時点でヤマカツライデンを買いたい心境はお察しいただけるでしょう。
金になるまで諦めない。
こんらずるい更新は後にも先にも今回が最後。。。

身の丈を考える(東京新聞杯予想)

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一時期に比べると随分マシになったものの、いまだにエンゲル係数が高い。決して美食家というわけではなく、ただただ酒量が多いだけだが、これがなんとも由々しき問題で毎月末には、酒代・馬券代を捻出するためにそろばんを弾く事態になる。そんなことが多々あった。
「もう少し酒代を抑える努力をしろ。今時芸能人でもそんな無茶な酒の飲み方しない」
と言ったのは実家の母で、帰省の度に似たようなことを耳が痛くなるほど言われてきた。思い当たる節しかないし、いつも猛省する。たしかにこのまま酒であぶく銭を溶かし続ければ、とんだ放蕩息子になりかねない。もう少し酒量を抑えなきゃな、うん。


しかし、本物の芸能人はやっぱりスケールが違う。
1ヶ月に340万円もの大金をワインに費やす男がワイドショーに登場していた。
その男はジョニーデップ。ハリウッド大作映画に出演し続け、多くのフォロワーを生み、世界中に彼のことを知らない人はいないであろう、そんな男の1ヶ月の酒代はとてつもない額だった。
ワイドショーが伝えるには、ワインの他にも、服飾品やヨット、個人で開くイベントなどで、月々2億円を費やすという、なんとも庶民には解せない話。結論としては、浪費が破産危機を招き、マネジメント会社が彼を提訴することを検討している。という内容が伝えられた。
ずっと親のように、彼の資産管理を行っていたマネジメント会社は幾度となく、その浪費に注文をつけていたという。しかし、その注文に耳を傾けることなく、破産危機という事態を迎えたわけだから、彼もこれまたとんだ放蕩息子と言えるかもしれない。


金額こそ違えど、このニュースを見聞きして、耳が痛くなる人はきっと少なくない。
ホストにはまり、首が回らなくなり、芸能界をドロップアウトして、AVに出演した女もいた。
そして、このブログを読んでいるような競馬好きにとって最も身近に感じられるのは、博打に関する浪費だろう。
競馬の場合、一度にベットする金額が大きければ大きいほど、払い戻しの額も大きくなる。大きく儲けようとした時、最も簡単なのはガチガチの1番人気に持ちうる金額を全てつぎ込むことで、それだけに、身の丈に合わない金額をつぎ込み、持ち金がショートする人は少なくない。
「俺はお馬で人生アウト」という走り書きを残して、中山競馬場のトイレで自殺したおじさんもいた。Twitterでうん十万の金額で勝負していた人が突如更新しなくなった。そんなことは掃いて捨てるほどよくある話。
ジョニーデップの話は、一線を引いて、鼻で笑えるようなニュースじゃない。博打の魔力に取り憑かれている以上、紙一重の話なんじゃないだろうか。
まあ、兎にも角にも身の丈にあった賭け方をする必要が馬券好きな我々の至上命題だろう。


疲れからか、ストレスからか、やたらつらつらと無意味なことを書き進めてますが、放蕩、だとか、身の丈に合わない、だとか、そんな話から競馬の話にスムーズに移ろう。全然スムーズじゃないけど。仕事のトラブルでそれどころじゃないけど。


俺が東京新聞杯で本命に推すプロディガルサンも「身の丈に合わない」が続いて、それに苦しめ続けられてきた。
ディープで菊花賞ってねえ。セントライト記念でそこそこ好走したからって、そりゃあねえ。。
うん。今回こそが適正距離の下限。
1600〜2000がこの馬の適正距離だと思っている自分としては、東京新聞杯の出走確定は嬉しい報せだった。
他にもディープの古馬初重賞。ディープの休み明け。ポテンシャルは散々示してきている。それだけにオプションの揃ったここで買わずにはいられない。ずっと辛酸を舐めさせられ続けてきた憎き相手エアスピネルにもし勝てるとしたらここ。田辺の継続騎乗もこの馬にかける強い思いだと、良い方にとることにしよう。

 

思えば、この馬の名前の由来も「放蕩息子」だった。

放蕩息子もここでお終い。孝行息子になる時が来た。ジョニーデップもまともな価値観を持つ人間になれたらいいね。俺も親に安心してもらえる大人でありたい。
放蕩息子もここでお終い。自分と重ね合わせながらそんなことを思う。
東京新聞杯はプロディガルサンからの三連複で勝負。
(仕事のトラブルゆえに推敲皆無。これから、多分、怒られてくるのです)

知ってるつもりか!(根岸S予想)

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杉の宮駅が京王線の駅だとは知らなかった。
「そんな駅、京王線にないですけど?」
なんてツッコまれるかもしれませんが、最初に書こうと思っているのは、スタジオジブリ製作の映画『耳をすませば』の話。(まあ、いつものごとく、この後、二転三転しながら競馬予想につながる予定です…)


なんでこんな話から始めたかって、先週放送されてた金曜ロードショーで『耳をすませば』を10数年振りに見たからで。
耳をすませば』はスタジオジブリ作品の中でも好きな作品のひとつで、学生時代に何度も見ているし、あらすじは諳んじることができる。
それだけに「『耳をすませば』に関してどれくらい知ってるか ?」と聞かれたら、ってまあ、そんな機会はまずないものの、「そこそこ知ってると思うけどね。」と答えると思う。そう思っていた。だってそうだよ、子供の頃に何回も見てるわけだ。
でも、それは大きな勘違いだった。
歳を重ねて改めて見てみると、やけに細かいところに目がいく。主人公、月島雫が住んでいる団地の煩雑さ、室内に置いてある本のタイトル、貼ってあるポスター。最寄駅の杉の宮駅。
そんな駅、東京にないけどなあ、と思って調べてみると、聖蹟桜ヶ丘駅がモデルだそうで。加えて、劇中に出てくる向原駅は、これまた京王線百草園駅だそうで。好みで何度も見ている作品だけど、その作品の内実、ディテールについては全く知らなかったというわけ。結構有名な設定みたいですけどね、うん。
いつも最寄駅から東京競馬場に向かう際、京王線に乗って、当該駅を通り過ぎているにもかかわらず、全然知らなかった。府中で競馬が開催されていれば、毎週のように乗ってる電車なのにね。知らなかった。
名前や作風は知っていても、実は作品を読んだことのない司馬遼太郎だとか、モノマネでよく見聞きしているけど、作品はほとんど見たことのないジャッキーチェンだとか。
自分の中で人並みに知っているつもりでも、その実、詳しいこと、というか、細かいことは知らなかった。そんなこと、まあ、よくある話だ。


知ってるつもりでも、実は知らなかった。それが最悪なかたちで表れた記者会見を週始めに目にした。
「17歳とは知らなかったんで……」
お笑い芸人狩野英孝がファンの女の子に手を出した結果、見事にそれが世にバレてしまい、淫行疑惑が持ち上がり、脂汗タラタラにそう答えていた。
女性関係がらみの会見なだけに意図的になのか、囲み取材に参加している記者は99%が女性で、なんとも報道の人たちはエゲツないなー。なんて思いながらも、もしかしたら本当に彼は彼女の年齢を知らなかっただけかもしれないな。
そんなことを考えていた。
限りなく黒に近いグレーなだけに、世のワイド精神旺盛な人たちが騒ぎ立ててたけど、交際の詳細については知る由もないし、とりたてて、知りたくもない。
何が書きたかったって、自分の中ではよく知っているつもりでも、その実、詳しいこと、というか、細かいことは知らなかった。まあ、よくある話だ。そういうこと。


こんな話から唐突ではあるものの競馬の話へ。
今週末開催される重賞はふたつ。ここでは根岸Sについて。自分が推す馬はモンドクラッセ。

デビューは芝。調教でも好時計を連発。血統背景もよく、新馬戦では1番人気に支持されるも追走でいっぱいいっぱい。その後も芝のレースを使っては鬼脚を見せながらも勝ちきることはできず。結局ダート替短縮で脚質転換。それからはダート一線級の馬に一気に駆け上がった。
そんなモンドクラッセは今回初めての短距離戦への短縮臨戦。

現在単勝12番人気と、多くのファンが当馬の距離適性を不安視していることが手に取るように伝わってくるが、これまでもラップの厳しいレースは経験してきたので逃げての粘りこみにも期待できるし、アグネスデジタル産駒の当馬は明らかなS系なので、位置取りを差しに転換しても面白い。芝でも追い込んで味のある競馬はしてるしね、うん。
若干タイプは違うものの、帝王賞で先行して、短縮臨戦で臨んだ根岸Sで位置取りを差しに転換した結果3着に食い込んできた。イメージはそんなテスタマッタにも被るところがある。
ってなわけで、今日はモンドクラッセに財布の中身全部。

 

モンドクラッセを知る多くのファンが
「まさか差して味のある競馬ができるなんて知らなかった」
「短距離でもパフォーマンス発揮できるなんて知らなかった」
なんて、馬券圏内に驚くことになるかもしれない。
知ってるつもりでも、実は知らなかった。そんならことってよくありますしね。
根拠は薄いですが、なんですかね……
理由は……「野生の勘」といったところでしょうか。
そんなオチで。

 

しみったれた夜(AJCC予想)

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Y口A香(29歳)
中学高校大学。それくらいの年頃でぼんやり考えていた将来のかたち。
仕事とか生活とか、あてもないのに何故か幸せな未来を想像できていた。
「23歳くらいで友達に紹介してもらった男と付き合い始めて、2,3年付き合って結婚して。その次の年には子供もできる。できたら3人くらい子供は欲しいかな。老後もちゃんと面倒見てもらうために。」
高校生の頃、学校帰りのマクドナルドでそう話していた彼女も、歳を重ねるにつれ、酸いも甘いも噛み分けられるようになる程度に経験を積んだ。
人生を語れるほど而立しているわけではないものの、“普通の幸せ”っていうものが、いかに綱渡りを繰り返した果てにあるものなのか、いかに難しいことなのかを最近理解できるようになったという。


久しぶりにFacebookを開いて、縁遠くなってしまった若い頃の友人のページに飛んでみると、ある人は大手代理店の選抜チームに選ばれていたり、ある人は一部上場企業の旦那を捕まえていたり、ある人は3年ほど更新が止まっていたり。そういうことってあるよね。
昔の友人と、今の自分を照らし合わせながら、安堵したり、悔しくなったり、虚しくなったり。
「あの子が結婚だって!信じられないわ!」と息巻いたかと思えば、「全然更新してない人は今何してんだろうね」と不安な体を装って蔑む。
まあ、そうした、不毛で根暗な、しみったれた夜を過ごすことは俺自身たまにあるし、似たような夜はきっと誰にだってある。
だからと言って深夜3時に電話を鳴らすのはやめてほしい。そう伝えて電話を切った。
そう、ここまでは酔っ払いからかかってきた電話の内容をまとめただけ。
内容がないのも仕方ない。
周りと自分とを比べて、その現状の差について無駄に落ち込んだり、なんなら、将来の差まで気にして無駄に落ち込んだり。わかるけどね、うん。


と、こんな、読んでる人の気持ちを暗くさせてしまうような話はこの辺にしておいて、競馬の話に移ろう。
今週末にはふたつのG2レースが開催される。ここでは、昭和35年から開催され続ける伝統の重賞、AJCCの話。


今年のAJCC。出走する馬の中で本命の印を打つのはナスノセイカンに決めた。
思えば、ナスノセイカンも昔は自身の成績に葛藤を抱えざるを得ない競走成績だった。
未勝利戦を突破し、京成杯に乗り込んだものの大敗。
その後10数戦ほど、掲示板に乗るか乗らないか。そんな成績を行き来していた。
その間にも京成杯で戦った馬たちは重賞で成績を積み重ねていく。
彼が人間だったら、冒頭の彼女のような悲観を口にしたかもしれない。
周りと自分とを比べて、その現状の差について無駄に落ち込んだり、なんなら、将来の差まで気にして無駄に落ち込んだり。そんなこともあったかもしれない。
それでも彼は走り続けた。
まあ、馬という経済動物だから、走り続けさせられたんだけど。

今となっては、格のある相手に対して、悪くない競馬を重ねるほどになり、AJCCへいざ殴り込み。
派手な成績は残していないし、エリート街道を歩めるほどの馬ではなかった。
今回のAJCCでも周りの馬と馬柱に並べられた文字・着順を比べてしまうと、力量は思ってみえるかもしれない。
ただし、ナスノセイカンはここに至るまでのリズムが極上。ハーツクライ産駒だけに格上げ戦も大歓迎。それでいて延長。スタミナの求められる中山2200の舞台で、その末脚が発揮されれば十分馬券圏内が考えられる。どうにか内枠をせこく乗って、コーナーで外差ししてもらえれば……


などとつらつら。
自分の現状を人と比べても仕方ない。将来は今より恵まれた未来が待っているかもしれないし、その逆もありえる。
ただひとつ言えるのは、人と自分を比較して無駄にやさぐれても仕方ないということで。
そんなことをナスノセイカンの戦績に思った。
そうした中でナスノセイカンが馬券になったら痺れるじゃないですか。
全ての恵まれてこなかった人たちのためにナスノセイカン大本命。
AJCCはナスノセイカンに全部。

大学入試センター(日経新春杯予想)

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個人的な一面ニュース。数日前、空き巣に入られて、60万円弱の被害を受けました。正直憔悴しきり。
その一方、世間にとっての一面ニュースは今週末に実施されるセンター試験といったところか。
中山競馬場へと向かう東西線にも、受験生と思われる若者が多く居て、いつもより車内は張り詰めた空気だった。
ワンカップ片手に馬柱を眺めてニヤニヤしていたい俺はちょっと肩身が狭い。


センター試験というといい思い出はないうえに、受験当時の記憶もほとんど残っていないが、最も得意だった科目が国語だったたことだけはたしかだし、数学が6割くらいしか解けなかったのもたしか。国語のおかげでリカバーできて、足切りにあわなかったこともたしか。
そんな俺が結局は出版関係の仕事に就いて飯を食っているわけで、学生時代の得意科目に、そして試験結果に、将来の仕事の指針を示される人は多くいることだろう。
それだけに受験生の皆々様が緊張するのもわかる。ただ、結果がどうであれ、今後数ヵ月間は話のネタになることですし、気楽に頑張ればいいと思いますよ(このブログを受験生が読んでいるとは思えないけど)。


とんだ老婆心まみれの文章を書いてしまったが、今回の更新は大学入試に関する話題から入りたいのです。
というのも、ちょうど今『東大VS京大 入試文芸頂上決戦』なる本を読んでいて、そこに書かれていた1947年の東大入試問題が面白かったので……
問題はこうだ。


「日本文学史上に於ける価値高き作品もしくは作家を十えらびその理由を簡単に述べよ」

(著者の永江朗も書いている通り)なんと大雑把な質問だろう!

もしも自分が解答するとなると……
菊池寛に、内田百閒、夏目漱石正岡子規あたりらはマストだよな。えーと森鷗外も入れとかなきゃな。いや、これだと近代に寄りすぎか……古代、中世あたりからも拾ってこないと。『万葉集』から始めるか、それで『徒然草』に『枕草子』も入れておいた方がいいかな……。」
などと考える。しかし、そんな浅はかな発想ではマズいかもしれないということを本書は示唆する。
先ほども記したとおり、この試験は“1947年”の東大入試問題。
鷗外は軍人だから、統治しているGHQはその名前が出ることを嫌うだろう。戦時中に軍部に協力的だったり、戦意高揚に励んだ作家は除外する必要があるかもしれない。
文学史についての見識を表明するのではなく、政治意識、1年半前に降っておりてきた民主主義をどう捉えるのかについても問われていると考えることもできる。
時局を考えて解答する必要性を邪推してしまうと、パッと見で受ける印象ほど簡単な問題ではないのかもしれない。
この問いに対する模範回答は示されていないので、こうした疑心暗鬼が正しいのかどうか。真相はわからないものの、つまりはそういうこと。
どういうことかって、この問題に思慮を張り巡らせることこそ、国語、なかでも現代文の真髄であるということ。本文を構造的に読み、「問題を作った人」が「なにを答えさせたいか」を読むのが国語の楽しみ方であり、解き方なのだ。
あらゆる受験・試験のなかで、現代文は唯一コツがわかれば、なんの勉強もせずに満点が取れる科目だし、①受験する学校のレベルが高くなればなるほど、漢字だとか言葉の意味だとか、知識を問われる問題は少なくなる。それは単純な能力ではなく、思考力を問われているからこそで、当然といえば当然の話だ。
だから受験生は二次試験に向けて現代文を勉強したらいいと思う。


とまあ、またしても老婆心が炸裂。そして、いつものごとく馬鹿みたいに長い前置きはこのあたりにしておいて……
大学入試センターが主催するセンター試験における現代文は「答えは文章のなかに書かれており、なにも知らなくても考えれば答えられる」し、出題者の意図さえ汲み取ることができれば、簡単に点数を稼げることが書きたかった。
そして、そんな現代文の問題と真反対(というと言い過ぎ?)に位置するのが毎週末開催されている日本中央競馬会主催の勝馬予想という問題だということも。


今週末、最も配点の高い大問は日経新春杯
例年にも増して多様な路線から実力を備えたメンバーが集まった中、俺はヤマカツライデンに最も重い印を打つことに決めた。
一本気に走った方がいいタイプ(S系であることに加えて7番枠に入った時は[4・2・0・1])なので揉まれ辛い枠に入ったのは好材料
重賞で足りるかどうかもう一度賭けてみたいと思っていただけに、想定7番人気と、前走の掲示板外で多少人気が落ちてるのもいい。
気になるのは馬場の内側が荒れ始めて来ていることだが、そこは年明けからも気負うことなく、これまで通りの積極的な騎乗を見せている鞍上の池添謙一に託すほかないだろう。
さながら浪人生の受験のように、前走で厳しい競馬をした経験がここで活きることを祈る。


日本中央競馬会さん、こんな感じでどうでしょうか?
明日の答え合わせを楽しみにしています。

 

(追記)

開催順延に伴って枠順が変わった。

ヤマカツライデンの内枠替わりは、内を見ながら逃げられなくなって、思い切って押していくイメージが湧きづらい。理想的な展開(=大逃げ)になりづらいと見た。

しかも、開催当日の12時時点で3番人気。単勝オッズが5.5倍ということで、本命変えます。

レッドエルディストから。

ロブロイのダウン・休み明け。前走Vライン。鮮度もあって、やることは決まってるんで。ヤマカツライデンが目標にされて、ある程度流れたらいいですね。

では、センター試験同様にマークミスに気をつけてレースに臨みたいと存じます。